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根域に塩分がたまると、土が湿っていても芝がしおれるのはなぜ?

根域・塩類集積

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まず答え

塩類濃度が高いと、根の周りに水があっても芝が水を吸い上げにくくなるからです。土が湿っているのに水不足のようにしおれる「ウェットウィルト」が起こることがあり、水分だけでなく塩類濃度も確認する必要があります。

詳しい解説

芝が水を吸うには、根の外側から内側へ水が移動できる条件が必要です。ところが根域に溶けた塩類が多くなると、土壌水の浸透圧が高まり、根が水を取り込むための差が小さくなります。USGAは、この状態では土に十分な水分があっても根が吸水しにくくなり、芝がしおれる「ウェットウィルト」が起こると説明しています。

塩類濃度が高まると土壌水の浸透ポテンシャルが低下し、水が残っていても根が吸いにくくなります。矢印の太さや点の数は吸水量や濃度を示しません。過湿・根傷み・病害なども切り分け、塩類だけと断定しないための説明図です。

塩類は、灌水水に含まれる成分が蒸発散で水だけ失われた後に残ることで蓄積します。雨が少ない地域や乾燥期だけでなく、排水が悪く塩類を根域の外へ流しにくいグリーンでも問題になり得ます。初期には生育が鈍り、進むと芝が薄くなって乾燥害のように見えることがあります。

このため、土が湿っている場所で芝がしおれていても、単純に『水が足りない』と判断して散水を追加するだけでは解決しない場合があります。電気伝導度(EC)などで塩類濃度を確認し、灌水水質や排水条件も調べます。排水性が確保されている場合は、十分な水で塩類を根域より下へ洗い流すリーチングが対策になります。

ただし、湿った場所のしおれは塩類だけで起こるわけではありません。根傷み、過湿、締固め、病害などでも似た症状が出るため、水分計の値と見た目だけで原因を決めず、根域と水質を合わせて診断します。