来場者数が 増えても、 ゴルフ場の 利益が 増えない ことが あるのは なぜ?
経営・収益
まず答え
あります。来場者数やラウンド数が増えても、1人あたりの売上が低かったり、追加の整備費・人件費などが増えたりすると、売上の増加より費用の増加が大きくなり、利益が増えないことがあります。
詳しい解説
ゴルフ場の利益は、来場者数だけでは決まりません。見るべきなのは、増えた来場者がどれだけ売上を増やし、そのためにどれだけ追加費用が発生したかです。
米国ジョージア州のゴルフ場を対象に、運営者の売上データと管理責任者の維持管理費データを組み合わせた研究では、ラウンド数は売上だけでなく維持管理費にも影響し、その結果として粗利益への影響は施設の形態によって異なりました。追加ラウンドが粗利益にプラスだった施設群がある一方、プライベートコースではラウンド増加が維持管理費の増加を通じて粗利益にマイナスに働いた結果も報告されています。つまり「人数が増えれば必ず利益も増える」という単純な関係ではありません。
もう一つは客単価です。同じ1ラウンドでも、通常料金、割引料金、会員・パス利用ではコース側が得る収入が違います。低単価の枠を多く埋めてラウンド数が増えても、売上の伸びが小さければ利益は増えにくくなります。逆に、空いている時間帯を追加費用がほとんど増えない範囲で埋められれば、追加ラウンドが利益に寄与することもあります。
混雑も無視できません。USGAのプレーペースに関する財務分析では、単純に最大人数を詰め込むのではなく、スタート間隔や料金を調整してラウンド数が多少減っても、1ラウンド当たりの収入を高めることで利益が改善し得る例が示されています。これは試算モデルであり全コースに同じ金額が当てはまるものではありませんが、人数最大化と利益最大化が同じではないことを示しています。
したがって経営では、来場者数だけでなく、1ラウンド当たり売上、割引比率、追加人件費・整備費、混雑による回転低下、飲食や物販を含む付帯売上まで合わせて見ます。『何人来たか』より『1人増えたときに利益がいくら増えたか』で判断する方が実態に近くなります。