ゴルフ百科事典

池の護岸をコンクリートだけでなく植物でつくるのは、何のため?

池・水景・護岸

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まず答え

景観だけが目的ではありません。植物を使った護岸や緩衝帯は、岸の侵食を抑え、雨水に含まれる土砂や栄養分などを池へ入る前に捕捉し、水質保全や生き物の生息環境づくりにも役立ちます。急斜面や侵食が強い場所では、植物だけで十分とは限りません。

詳しい解説

ゴルフ場の池の岸を植物で仕上げるのは、見た目を自然にするためだけではありません。水際の植物帯は、岸を守ることと池へ入る水をきれいにすることを同時に狙える管理方法です。

USGAは、池・湿地・水路の岸に設ける植生の緩衝帯が、表面流出に含まれる土砂、栄養分、農薬などを水域へ入る前に捕捉し、侵食を抑えると説明しています。草や根が水の流れを弱め、土砂を沈ませ、根系が岸を保持するためです。

強い雨による表面流は、肥料成分や土砂を水域へ運ぶことがあります。植生帯は流入を抑える手段の一つですが、全成分を除去する設備ではありません。軽い灌水と流出を起こす豪雨は区別します。

実際のゴルフ場事例でも、池の浅い縁に水生植物を植えたリトラルゾーンを設け、流入水のろ過、岸の侵食低減、野生生物の生息場所づくりに使っています。水際をすべて短く刈り込むより、適切な幅の植生を残した方が、水質と岸の安定の両方に利点があります。

ただし、植物を植えればどんな護岸でも安定するわけではありません。傾斜が急、波や流れが強い、すでに大きく崩れている、といった場所では、植生の前に法面の整形や別の侵食対策が必要になることがあります。植物の種類も、地域に適したものか、管理区域へ広がりすぎないかを確認します。

つまり、植物護岸は『コンクリートの代わりの飾り』ではなく、侵食抑制、水質保全、生息環境、景観をまとめて担わせる方法です。実際の設計では、岸の傾斜、土質、水位変動、流れ、プレーへの影響を見て、植物だけにするか、ほかの護岸方法と組み合わせるかを決めます。