中国はゴルフ場を「全面禁止」していない 新設停止から22年、2026年も全国大会を開催
GOLF DNA編集部🇨🇳

3行まとめ
- 2004年、中国は新規ゴルフ場の建設を停止した。
- だが既存コースを一律に消したわけではない。
- 2017年は683コースを4分類し、496コースは整改。
「中国ではゴルフ場が禁止されている」。そんな言い方をすると、国中のコースが閉鎖され、ゴルフそのものができないように聞こえる。
実際、中国は2004年に新しいゴルフ場の建設を止めた。2017年にも国家発展改革委員会は、新設を一律に承認しない方針を改めて示している。
それでも2026年5月には重慶の保利ゴルフクラブで全国ゴルフ選手権が行われ、6月には上海で中国プロゴルフツアーの上海オープンが開催された。10月には上海・佘山で米女子ツアーの大会も予定されている。
なぜ「新設禁止」と「普通に大会がある」が同時に成り立つのか。20年以上の資料を追うと、中国の規制はゴルフそのものを消す話ではなく、ゴルフ場を土地・水・環境の問題として分類し、違法・不適切なコースを処理する仕組みだったことが見えてくる。
2004年に止めたのは、まず「新しいゴルフ場」
出発点は2004年1月の国務院通知だ。
通知は、新たな政策が定められるまで新規ゴルフ場の建設を停止し、地方政府や国務院各部門が新しいプロジェクトを承認することを禁じた。未承認のまま着工していた案件は工事停止、まだ着工していない案件は着工不可とした。
理由として前面に出ていたのは、土地と水資源だった。
同じ通知は、すでに存在するゴルフ場を一律に閉じるとはしていない。既設・建設中の案件を全面的に調べ、土地利用や都市計画、許認可の適法性を確認したうえで、営業を続ける既設コースには水使用の厳格な管理や環境保護設備の整備を求めている。
つまり最初から、「ゴルフ場を全部なくす」という設計ではなかった。
683コースを、閉鎖か存続かの二択にしなかった
規制の構造が最も分かりやすく見えるのが、2017年1月に公表された全国調査だ。
政府が確認したゴルフ場は683コース。それを4種類に分けた。
111コースは「取缔」で、営業停止や土地の原状回復、ゴルフ場としての特徴の除去まで求められた。18コースは「退出」で、保護区域などから退出。47コースは「撤销」で、建設・営業活動を停止した。
そして最も多かったのが「整改」507コースだった。
この507コースのうち11コースは自主閉鎖した一方、496コースは問題部分を直す処理になった。公表資料には、違反して占用した耕地や森林からの退出、植生の回復、環境基準への対応、防洪対策、節水、取水行為の適正化などが並ぶ。
683コースのうち、最多の扱いは「閉鎖」ではなく「直して残す」だった。
ここを飛ばして「中国はゴルフ場を禁止した」とまとめると、実態からかなり遠くなる。
2020年末も449コースが残った
その後も監督は終わらなかった。
国家発展改革委員会など11部門は2017年以降、毎年のように「回頭看」と呼ばれる再点検を実施した。
2021年に公表された2020年末時点の数字では、全国のゴルフ場は「元の689」から449コースへ減少。さまざまな方法で閉鎖されたのは240コースで、内訳は取缔132、退出18、撤销47、自主閉鎖43だった。公表上の閉鎖割合は34.8%だ。
2017年公表の683コースと、2020年資料が基準にした689コースは同じ数字ではない。別時点の公式集計なので、ここを無理に一つの母数としてつなげるべきではない。
さらに2021年末には、累計で259コースが閉鎖されたと政府が発表した。2022年の再点検でも、山西省と湖北省で重大問題が確認された2コースが取缔されている。
新設を止めた後も、全国を一度整理して終わりではなく、違反や再開を監視し続ける運用になった。
それでも2026年、ゴルフの大会は普通に開かれている
ここまで読むと、「では中国では現在ゴルフをできるのか」という疑問が残る。
答えはできる。少なくとも、既存のコースで競技が開催されていることは政府の公式発表から確認できる。
2026年5月7〜10日には、重慶の保利ゴルフクラブで全国ゴルフ選手権が開催された。男子・女子の団体戦と個人戦が行われ、各地の代表や大学チームが出場した。
6月には上海の新天鴻名人ゴルフカントリークラブで上海オープンが行われ、15の国・地域から144人のプロが参加した。
出典:tj.gov.cn / english.mee.gov.cn / ndrc.gov.cn(2・3・4・5) / sport.gov.cn / shanghai.gov.cn(2)
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