賞金100万ユーロのプロ大会が、子どもの6ホール戦へ 「ゴルフシックス」は25カ国超に広がった
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2017年、欧州男子ツアーは16カ国32人・賞金総額100万ユーロの6ホール大会「GolfSixes」を始めた。
- その6ホール形式はジュニア向けのチーム戦へ広がり、現在の国際公式サイトは25カ国超・180超のリーグ・約1万2000人のジュニアを案内する。
- 2026年にはアイスランドで冬のシミュレーター大会、ドイツでは学校への展開計画まで進む。
2017年5月、イングランドのセンチュリオン・クラブで、欧州男子ツアーはかなり大胆な実験をした。
16カ国から2人ずつ、計32人。試合は18ホールではなく6ホール。賞金総額は100万ユーロ。会場には音楽や演出が入り、ショットクロックまで置かれた。「GolfSixes(ゴルフシックス)」は、長時間・個人戦が当たり前だったプロゴルフを短く切り直した大会だった。
9年後の2026年、その名前は残っている。ただし、主役はプロではない。
現在の国際版「GolfSixes League」は、初心者やジュニアの入口として展開されている。公式サイトは25カ国超、180を超えるリーグ、約1万2000人のジュニアが参加する規模として案内している。
6ホール以上に大きかった「個人戦をやめる」変更
現在の基本形は、6人のチームで参加し、2人1組のスクランブルで6ホールを回るものだ。
英国のゴルフ・ファウンデーションでは、6ホールを75〜90分ほどで終える設計としている。対象も、ハンディキャップを持たない子どもや、まだ競技経験の浅いジュニアが中心だ。
短いだけなら9ホール競技でもいい。ゴルフシックスの特徴は、最初から「チームでゴルフを始める」ことにある。
スクランブルなら2人が打った球から良い方を選んで先へ進める。1打のミスがそのまま個人スコアへ積み上がるストローク戦とは、失敗の受け止め方が違う。これは形式から読み取れる構造であり、短時間化だけが参加継続を生んだと証明されたわけではない。
それでも、2025年の英国・アイルランド4地域では、9,247人が743のクラブ・チームで参加した。主催者の集計では参加者の25%が女子で、88%が「もっとゴルフをしたい」と回答している。
この88%は将来の継続率そのものではない。だが、少なくとも「初めて競う場」を18ホールの個人戦だけにしなくても、多くの子どもをコースへ連れていけることは見えてくる。
冬になったら、ゴルフ場そのものを外した
さらに面白いのは、6ホールという型が芝の上からも離れ始めたことだ。
R&Aによると、2023〜24年の冬には6カ国による初の国際インドア大会がシミュレーターで行われた。
2026年2月28日には、アイスランドで冬季のゴルフシックス・リーグが開幕。初回には42人のジュニアが6チームに分かれて参加し、その冬にさらに3大会が予定された。短い夏に屋外コースが混む国で、オフシーズンの競技場所をシミュレーターへ移した形だ。
ドイツでも広がっている。2025年は37クラブ、約500人のジュニアが参加し、2026年は40クラブへの拡大を目標にした。さらに2027年からは、学校向けプログラムへゴルフシックス形式を組み込む計画が示されている。
生き残ったのは「派手さ」より、持ち運べる仕組み
2017年のプロ大会で目立ったのは、音楽や演出、短い試合時間だった。
だが9年後まで広がった部分を見ると、核はもっと地味だ。
6ホールにする。個人ではなくチームにする。初心者でも参加できる。必要なら屋外コースからシミュレーターへ移す。学校にも持ち込める。
つまり、18ホールのゴルフをそのまま小さくしたのではなく、「最初に参加するゴルフ」を別に作った。
子どもを早く18ホールへ適応させるのではなく、子どもが入りやすい競技を先に用意する。ゴルフシックスの9年で面白いのは、プロ向けの実験として始まった6ホールが、ジュニアの入口として別の役割を持つようになったことだ。
出典:The R&A / DP World Tour / gsl.club.cpg.golf(2) / golf-foundation.org / cpg.golf / rctrust.info
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