リスボン10分、9ホールの「公共ゴルフ」 ポルトガル初のコースは国のスポーツ拠点にあった
GOLF DNA編集部🇵🇹

3行まとめ
- ポルトガル初の公共ゴルフコースは、リゾート地ではなくリスボン近郊の国立スポーツ拠点に2013年誕生した。
- 9ホール・パー35、約2675ヤード。
- 初心者が入りやすい設計で、研修・練習・一般利用を一カ所に集めた。
ポルトガルのゴルフというと、海沿いのリゾートコースを思い浮かべる人が多いかもしれない。
ところが、ポルトガルゴルフ連盟が「国内で最初に開いた公共ゴルフコース」と位置づける9ホールは、リゾート地ではない。
リスボン中心部から車で約10分。国立スポーツ施設「ジャモール国立スポーツセンター」の中にある。
名前は、ジャモール国立ゴルフ研修センターだ。
1987年は練習場、2013年に9ホールが加わった
この施設は1987年から、ゴルフのアカデミーとドライビングレンジとして使われてきた。
土地と施設を所有するのはポルトガルのスポーツ・青少年行政機関。運営はポルトガルゴルフ連盟に委託されている。
大きく姿が変わったのが2013年9月5日だった。
大規模改修を経て再開した際、9ホールのゴルフコースを新設。連盟の公式史は、これを「ポルトガルで最初に開いた公共ゴルフコース」と説明している。
それまで別々だった「習う」「練習する」「コースへ出る」を、一つの場所でつなげたわけだ。
約2675ヤード。短さではなく「入りやすさ」を設計した
現在のコースは9ホール、パー35。公式の2446mをヤードへ直すと約2675ヤードになる。
連盟のコース紹介には、設計と距離そのものが初心者のプレーをしやすくすることを狙った、と明記されている。
ただし、初心者専用の練習コースという意味ではない。経験者でもパーを取るには十分な挑戦がある、と同じページで説明している。
ここが面白い。
「初心者向け」にすると、極端に短くしたり、ゴルフらしさを薄めたりしがちだ。ジャモールはそうではなく、本物のコースのまま入口を低くした。
しかも「公共」は「無料」という意味ではない。現在の公式ページには予約導線と料金表がある。
その一方で、2026年7月26日には国立スポーツ施設側の企画として、2時間の無料ゴルフ体験も行われた。
普段は通常利用しながら、ときどき未経験者が無料で入れる入口も作る。公共施設らしい使い方だ。
13年後、同じ地域に「市営ゴルフ」が増えた
この話は2013年で終わっていない。
2026年6月7日、同じオエイラス市に「オエイラス・グリーン・バレー」という市営ゴルフアカデミーが開業した。
ポルトガルゴルフ連盟と市の共同事業で、学校、大学、クラブ、あらゆる年代の利用者へ開くとされている。
開業前の公式発表で連盟は、この新施設に持ち込む経験として、ジャモール国立ゴルフ研修センターなどの運営実績を挙げていた。学校教育との連携や障害者ゴルフも計画に組み込まれている。
つまり、ジャモールの「一般の人が入りやすいゴルフ施設」という考え方は、少なくとも制度設計の経験として次の公共施設にも使われている。
ゴルフ人口を増やすなら、18ホールの前に入口を作る
ジャモールで興味深いのは、「ゴルフを広める=18ホールの立派なコースを増やす」という発想ではないことだ。
都市から近い。9ホールで回れる。練習場がある。習える。コースにも出られる。未経験者向けの体験機会もある。
一つ一つは派手ではない。
ただ、初めてクラブを握る人から競技を続ける人まで、同じ場所の中で段階を上がれる。
日本でもゴルフ人口を増やす話になると、料金や若者向け広告が先に出やすい。
けれど、本当に高い壁は「18ホールを予約して、一式そろえて、一日かけて行く」ことなのかもしれない。
ポルトガル最初の公共コースが9ホールだったのは、規模が小さかったからではない。
ゴルフへ入る最初の一歩を、小さくするためだったと見ると、この施設の役割がよく分かる。
出典:portal.fpg.pt(2・3・4) / jamorparatodos.ipdj.gov.pt
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公共ゴルフ場がゼロになる3年間 シンガポールはゴルフを消さず「席」を残した
3行まとめ
- 2024年に18ホール公共コースのMarina Bayが閉鎖し、Mandaiも2026年末で終了予定。
- 2027〜2030年は専用の公共ゴルフ場がなくなる一方、Keppel Simeでは現在60%の枠を一般向けに確保している。
- 土地が足りない都市国家は、ゴルフ場そのものではなく「一般ゴルファーが打てる席」を制度として残そうとしている。