距離計は2019年に「原則禁止」から「原則OK」へ それでも競技で使えない日がある理由
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 距離計は2019年の規則改定で、「禁止が基本・ローカルルールで許可」から逆転した。
- 今は距離・方向の取得は認められるが、高低差の測定や推奨クラブなど「判断の代行」は不可。
- さらに大会委員会はローカルルールG-5で距離計そのものを禁止できる。
レーザー距離計を持って競技へ行くと、「今日は使えます」「この大会は禁止です」と大会ごとに扱いが違う。
しかも現在のゴルフ規則を見ると、距離計は基本的に使っていい。では、なぜ同じ道具が別の日には禁止されるのか。
答えは、2019年に規則の考え方そのものが逆転したことにある。
以前は「禁止」が出発点だった
全米ゴルフ協会(USGA)が2018年に公表した規則改定の説明では、旧ルールはラウンド中の距離計測機器の使用を規則そのもので禁止し、委員会がローカルルールを採用した場合だけ使える仕組みだった。
それが2019年から逆になった。
規則4.3は距離計で距離を測ることを認め、使わせたくない大会だけがローカルルールで禁止する形になった。
つまり現在は「距離計は禁止。ただし許可されたら使える」ではない。「距離計は使える。ただし大会が禁止したら使えない」が基本だ。
競技によって案内が違うのは、規則が矛盾しているからではない。委員会に禁止する選択肢を残した設計だからだ。
ルールが許したのは「答え」ではなく「距離」
では、距離計なら何でもしていいのか。
ここには明確な線がある。
R&Aの現行規則では、距離や方向の情報を得ることは認められている。一方、高低差を測ったり、距離や方向の情報を解釈して「このラインで打つ」「このクラブを使う」といった判断まで機械にさせることは認められていない。
面白いのは、この線引きだ。
ピンまで何ヤードあるかは情報として扱う。しかし、その距離をどう打つかはプレーヤー側へ残す。
USGAが2019年改定の理由として示した考え方も同じで、ホールまでの距離を知ること自体は、ゴルフでプレーヤー自身の技能や判断だけに委ねるべき要素ではないとしている。距離はヤーデージ表示などから誰でも得られる「公開情報」に近い、という整理だ。
だから高低差を加味した実効距離や推奨クラブになると話が変わる。そこから先は、距離を知る道具ではなく、プレー判断を代わりにする道具へ近づく。
「スロープ付きだから違反」ではない
ここも勘違いしやすい。
高低差を計算できる機能を持つ距離計でも、その禁止機能をラウンド中に使わなければよい。2019年からのUSGA資料も、禁止機能を備えた多機能機器そのものではなく、ラウンド中にその機能へアクセスすることを問題にしている。
実際、2026年の全米プロシニア選手権でも距離計は競技ラウンドで認められたが、高低差、風速、実効距離、推奨ラインや推奨クラブなどは不可とされ、距離以外の該当機能は無効にするよう案内された。
「競技モード」やスロープ機能の切り替えが付いている理由は、まさにこの境界に対応するためだ。
それでも大会は距離計そのものを禁止できる
では、距離だけを測るなら必ず使えるのか。
そうでもない。
R&Aのモデル・ローカルルールG-5を採用すれば、委員会はラウンド中に電子的な距離計測機器から距離情報を得ること自体を禁止できる。
これが、大会要項を確認しなければならない理由だ。
PGA of Americaは2021年から全米プロ、全米女子プロ、全米プロシニアの3大会で距離計を認めると発表した。当時はプレー進行の改善に役立つ可能性も理由の一つとして説明している。ただし、その後実際に何分短縮されたかまで、この発表だけからは分からない。
大事なのは「プロだから禁止、アマだから許可」という単純な境界ではないことだ。大会ごとのローカルルールで変わる。
競技当日に見るべきものは、距離計の説明書より大会要項
競技で距離計を使うとき、確認する順番は意外に簡単だ。
まず大会のローカルルールで距離計自体が禁止されていないかを見る。使える場合でも、高低差や実効距離、推奨クラブなどの機能は使わない。
距離計のルールを一言でまとめるなら、「測ることは認めるが、考えるところまでは渡さない」。
出典:USGA(2) / The R&A(2) / PGA of America / sites.google.com
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