7時18分は「7時18分00秒」 全米プロで練習グリーンにいたヒゴが2打罰になった理由
GOLF DNA編集部🇺🇸

3行まとめ
- 2026年全米プロでガリック・ヒゴは7時18分の定刻時、練習グリーンにいたものの指定スタート区域外で2打罰。
- Rule 5.3aでは7時18分は7時18分00秒という一点で、開始地点にプレー準備を整えている必要がある。
- 5分以内なら2打罰、5分超は原則失格という境界を、公式裁定と現行規則から読み解く。
「7時18分スタート」なら、7時18分台にティーへ着けばいい――。公式競技では、その感覚が通用しない。
2026年5月14日、全米プロゴルフ選手権の第1ラウンド。ガリック・ヒゴのスタートは1番ティーの午前7時18分だった。定刻になったとき、彼は練習グリーンにいた。しかしPGA・オブ・アメリカの裁定では、大会が指定した「開始地点」の区域内に入っていなかったため、2打罰となった。
「7時18分」は7時18分00秒
ポイントは、ゴルフ規則5.3aの時計がかなり厳密なことだ。
R&Aの現行規則では、委員会が設定したスタート時刻は「正確な時刻」として扱われる。例として、9時スタートなら9時00分00秒を意味し、9時01分になるまでのどこかではない。
しかも必要なのは時間だけではない。選手は、その時刻に「委員会が定めた開始地点」でプレーできる状態になっていなければならない。
全米プロでは、その開始地点も具体的に決められていた。1番と10番のスタート区域は、ロープ、ギャラリー用の杭、緑色のフェンス、青い杭・点・線などで区切られる。ヒゴは7時18分の時点で練習グリーンにいたが、その区域の外だった。
つまり、ティーの近くまで来ていることと、「スタート地点に到着していること」は同じではない。
30秒でも遅刻は遅刻
Reutersは、ヒゴ本人がラウンド後に「30秒遅れだった」と主張したと伝えている。ただし、PGA・オブ・アメリカの公式裁定は、ヒゴが開始地点へ入った正確な秒数や、判定に使った時計の仕組みまでは公表していない。
それでも罰の考え方は変わらない。
7時18分30秒だったとしても、7時18分00秒には開始地点で準備できていなかったことになる。規則上は遅刻だ。
ただし、遅刻した瞬間に失格になるわけではない。開始地点へプレーできる状態で到着したのがスタート時刻から5分以内なら、規則5.3aの例外により最初のホールに「一般の罰」が科される。ストロークプレーでは2打罰だ。5分を超えれば、委員会が例外的事情を認める場合などを除き、原則として失格になる。
ヒゴは、競技を続けられる側の境界に収まった。
クラブ1本とボールがあれば「準備完了」
R&Aの公式解釈には、さらに面白い説明がある。
「プレーの準備ができている」とは、少なくともクラブ1本とボール1個をすぐ使える状態で持っていること。たとえばパターしか手元になくても、開始地点に時刻までに到着し、ボールもあれば、規則5.3a上はプレー準備ができていると扱われる。
逆に、9時スタートの選手が8時57分に開始地点へ来ていても、忘れ物を取りに戻り、9時00分00秒に開始地点へ戻っていなければ遅刻になる。
スタート規則が見ているのは、「ゴルフ場には来ていたか」ではない。その瞬間、その場所で、プレーを始められたかどうかだ。
2打罰を含めて69
ヒゴは2打罰を含めて初日を1アンダーの69で終えた。第2ラウンドは76で、通算5オーバーの145。予選落ちとなった。
ただし、2打罰だけを予選落ちの原因とみなすことはできない。公式記録として言えるのは、69にはスタート遅刻の2打罰が含まれていたということまでだ。
一般のゴルファーにとって、この裁定が面白いのは「遅刻」の定義が思っている以上に狭いことだろう。
クラブハウスにいる。練習グリーンにいる。ティーの近くにいる。それだけでは足りない。
競技ゴルフでは、スタート時刻は約束の「分」ではなく「秒」。そして待ち合わせ場所にも、ちゃんと境界線が引かれている。
出典:pgachampionship.com(2・3) / The R&A(2) / USGA / Reuters Golf
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