全ショットを時計で測った大会 罰打は4人、公式振り返りでは約30分短縮
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2018年、欧州ツアーは全組に審判を付け、可能な限り全ショットを計測した。
- 制限は主に40秒、最初に打つアプローチなどは50秒。
- 4日間で罰を受けたのは4人。
ゴルフのスロープレー対策と聞くと、「準備を早く」「前の組に離されない」といった呼びかけを思い浮かべやすい。2018年の欧州ツアーでは、それとは別の方法を本番の大会で試した。選手のショットを時計で測り、制限を超えれば罰打にしたのである。
オーストリアで行われたショットクロック・マスターズ。72ホールのストロークプレーで、各組に審判が同行し、可能な限り各選手の全ショットを計測した。
40秒が基本、難しい場面には50秒と延長枠
時間制限は一律ではなかった。パー4、パー5のティーショットや、アプローチ、チップ、パットで2番目、3番目に打つ選手は40秒。アプローチやチップ、パットで最初に打つ選手には50秒が与えられた。パー3のティーショットも、この50秒側に入る。
時間を超えれば、そのホールに1打の罰が加わる。ただし各選手は1ラウンドにつき2回まで時間延長を要求でき、通常の持ち時間に40秒を追加できた。
つまり「何があっても40秒で打て」という競技ではない。場面によって50秒を与え、さらに各ラウンド2回の延長枠を残したうえで、全員を同じ仕組みで計測していた。
4日間で罰を受けたのは4人
結果は意外に穏やかだった。
欧州ツアーの最終日記事によると、4日間で時間超過の罰を受けた選手は4人。優勝したミッコ・コルホネンは通算16アンダーで、2位に6打差をつけた。全ショットを計測する特殊な形式でも、72ホールのストロークプレーとして大会は完了した。
後日、欧州ツアー運営の下部ツアー公式記事は、この大会の平均ラウンド時間がおおむね30分短くなったと振り返っている。同じ記事では平均スコアも1打を超えて低かったとしている。
ただし、この「約30分」と「1打超」には注意がいる。記事本文には、何との比較なのか、その集計条件が詳しく示されていない。時計を付ければ必ず30分短くなり、スコアまで良くなると結論づける材料ではない。
面白いのは、速さを競技条件にしたこと
この大会では、最初から各組に審判が付き、可能な限り全ショットが計測対象になった。制限時間、1打罰、1ラウンド2回の延長まで事前に決められていた。
ここから読み取れるのは、プレーの速さを「気をつけよう」という呼びかけだけでなく、競技の条件として設計できるということだ。どの場面に何秒を与え、どこまで例外を認めるかまで決めると、速さそのものがルール運用の一部になる。
一方で、一般のゴルフ場へそのまま移せるとは限らない。全組に審判を付ける運営コストや人員負担は今回の資料では分からず、一般ゴルファーに同じ40秒・50秒を当てはめた場合の効果も確認されていない。
2018年のショットクロック・マスターズが残したのは、「40秒で打てば正解」という答えではない。全員を同じ時計で測り、必要な延長も制度に入れたら、実際のプロ大会でどこまで回せるのか。その一例を4日間の競技で示したことに価値がある。
出典:DP World Tour(2・3)
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