マスターズでドライバーを2本 ミケルソンはなぜ45インチと46インチを使い分けた?
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2006年マスターズでフィル・ミケルソンは、同じFT-3 Tourを45インチのフェード用と46インチのドロー用に分けた。
- キャロウェイ開発側は約4か月準備し、前週のベルサウス・クラシックで13打差優勝、その翌週マスターズも制した。
- 勝因とは断定せず、コースからクラブ構成を逆算した発想を見る。
ドライバーを2本バッグに入れる。しかも同じモデルを、45インチと46インチに分け、それぞれ別の球筋を担当させる。
2006年のマスターズでフィル・ミケルソンが選んだのは、キャロウェイのBig Bertha Fusion FT-3 Tourを2本使うセッティングだった。どちらもロフト9.5度。1本は45インチでフェード用、もう1本は46インチでドロー用だった。
なぜ1本で打ち分けなかったのか。
欲しかったのは「もっと飛ぶ1本」だけではなかった
Golf Business Newsが当時のキャロウェイ副社長アラン・ホックネルの説明として報じたところでは、計画はマスターズの約4か月前から進められた。
長い1本はドローで追加の飛距離を狙い、もう1本はフェードでフェアウェイを狙う。ミケルソンが必要とした二つの球筋を、2本のドライバーへ分担させた。
一つのクラブでスイングを変えて球筋を作るのではなく、打ちたい球に合わせてクラブ側を分ける。そこがこのセッティングの核心だった。
前週の実戦テストは13打差優勝
2本はマスターズでいきなり投入されたわけではない。
前週のベルサウス・クラシックで実戦投入され、ミケルソンは通算28アンダー、13打差で優勝。その翌週のマスターズでは2度目の優勝を果たした。キャロウェイの公式リリースでも、この2週連続の勝利は確認できる。
ただし、この2週連続優勝を「ドライバーを2本入れた効果」とは断定できない。2本のドライバーが何打分の効果を生んだかは切り分けられていない。確認できるのは、マスターズ向けに約4か月準備したクラブ構成を前週に試し、その翌週も含めて2週続けて優勝したという事実までだ。
面白いのは「何本入れたか」より「役割を分けたこと」
この話を今の一般ゴルファー向けに「ドライバーを2本入れよう」という方法論へ置き換えるのは無理がある。2006年のクラブ性能、ミケルソンの技量、オーガスタ向けの個別戦略だからだ。
それでも見方は残る。クラブ構成を固定したものと考えるのではなく、その日に必要な球筋や距離から役割を逆算する。ミケルソンの2本は、その考え方を極端な形で見せた。
道具を見るとき、「何が新しいか」だけでなく「このコースで何を打ちたいか」からバッグを見ると、クラブ選びの意味が変わって見える。
出典:Golf Business News / Callaway 技術・研究情報
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