障害者ゴルフが同じコースに立つまで
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2022年、障害のある選手を欧州ツアーと同じ週・同じコースに置くG4Dツアーが始まり、翌2023年には障害者向けの修正規則が「規則25」としてゴルフ規則本体へ入った。
- 大会運営とルールの二つの「別枠」がどう動き、2026年に何が残ったのかを追う。
- G4Dツアーは、欧州ツアーとEDGAの連携で2022年に始まった。
2022年、障害のあるゴルファーが、欧州ツアーと同じ週、同じコースで競う新しい競技回路が始まった。
G4Dツアーだ。欧州ツアー(DPワールドツアー)とEDGAは最低7大会を用意し、障害者ゴルフをトップツアーの開催地と切り離さない設計を選んだ。
その翌年には、もう一つの「別枠」も外れた。障害者向けの修正規則が、正式な「規則25」としてゴルフ規則本体へ入った。
大会運営と規則。二つは別々の組織による別々の変更で、因果関係を示す資料はない。ただ、2022〜2023年を境に、障害者ゴルフを既存の競技と規則の内側へ置く動きが二方向から進んだ。
2022年、まず舞台が同じになった
G4Dツアーは、欧州ツアーとEDGAの連携で2022年に始まった。特徴は、大会を単独で開くのではなく、欧州ツアーの大会と同じ週、同じコースで行うことだった。
狙いとして示されたのは、障害のある選手の露出と競技機会を高めること。参加拡大や将来のパラリンピック採用につながる土台を作ることも掲げられた。
支援は会場だけではない。欧州ツアー側は、財務、商業、メディア面での支援に加え、EDGAをボランティア中心の組織から半専門的な組織へ移行させる支援も発表した。
つまり「障害者向け大会を別に作る」だけではなく、既存ツアーの会場、発信力、運営基盤へ接続する構造だった。
2023年、規則も「採用する特例」ではなくなった
規則の側では、2023年1月1日が大きな境目になった。
それ以前にも、障害のある選手向けの修正規則は存在していた。ただし、ゴルフ規則本体とは別文書で、競技委員会が採用した場合だけローカルルールとして適用される仕組みだった。
2023年からは、その修正が「規則25」として正式なゴルフ規則へ統合された。該当する選手に対しては、委員会がその都度ローカルルールとして採用しなくても適用できる位置づけになった。
全米ゴルフ協会とR&Aは、この変更を競技の包摂性とアクセスを高めるための重要な変更と説明している。
ポイントは、障害者向けの規則内容を一から作り直したわけではないことだ。2019年版の修正規則から大幅に内容を変えたというより、「必要なら別に採用する規則」から「最初から規則本体にある規則」へ地位を変えた。
規則25は誰に適用されるのか
規則25が想定する主な区分は、視覚障害を含む盲の選手、四肢欠損・切断の選手、補助移動器具を使用する選手、知的障害のある選手だ。
競技委員会や各国の統括団体は、医療証明、統括団体による確認、EDGAの認定証などを使って適格性を判断できる。
適格な選手だからといって、修正を必ず使わなければならないわけではない。必要な修正を使える仕組みが、正式規則の中に置かれたということだ。
競技側もグロスだけでは終わらなかった
G4Dツアーはその後、競技形式も広げた。
2023〜24年シーズンからは、実打数で競うグロス大会だけでなく、ハンディキャップを反映するネット大会も導入。障害者ゴルフ世界ランキングのグロスとネットの両方を出場者選定に使い、より幅広い障害特性の選手へ競技機会を広げる形へ変わった。
ここで、G4DツアーとG4Dオープンは分けて考える必要がある。
G4Dツアーは、2022年に欧州ツアーとEDGAが始めた複数大会の競技回路。一方のG4Dオープンは、R&Aと欧州ツアーが2023年に始めた年1回の選手権だ。
2026年のG4Dオープンはセルティック・マナー・リゾートで行われ、男女、プロ・アマを含む最大80人が54ホールのグロス競技で争う大会として続いている。
2026年、拡大一辺倒ではなくなった
ここまでを見ると、そのまま大会が増え続けているように見える。だが、2026年の現在地はもう少し複雑だ。
欧州ツアー側は、G4Dツアーについて、今後見通せる期間は大会を開催しないと発表した。2022年の創設から休止までに32大会が行われ、73人、29の国・地域の選手が出場したとしている。
一方、G4Dオープンは年次選手権として継続する。セルティック・マナーでは2027年、2028年の開催も予定され、2027年にはG4Dライダーカップの新設も予定されている。
そして規則25は、正式なゴルフ規則の中に残っている。
出典:DP World Tour(2・3・4) / USGA(2) / The R&A(2)
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3行まとめ
- 2022年に全米ゴルフ協会の15番目の全米選手権として始まった全米アダプティブ・オープン。
- 2026年は8つの障害区分、5種類のティー、総合順位と区分別順位を一つの54ホール競技に組み込み、男子では史上初の同一選手権4連覇も生まれた。
- 2026年大会では、男女、プロ・アマを問わず96人が出場した。