違う障害で同じ王者を決める仕組み
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2022年に全米ゴルフ協会の15番目の全米選手権として始まった全米アダプティブ・オープン。
- 2026年は8つの障害区分、5種類のティー、総合順位と区分別順位を一つの54ホール競技に組み込み、男子では史上初の同一選手権4連覇も生まれた。
- 2026年大会では、男女、プロ・アマを問わず96人が出場した。
2022年に始まった全米アダプティブ・オープンは、単に障害のある選手を集めた大会ではない。
男女、プロ・アマ、異なる障害区分の選手を、一つの全米選手権として競技成立させる仕組みそのものが大会の核心にある。
全米ゴルフ協会は2021年12月、この大会を15番目の全米選手権として新設すると発表した。第1回は翌2022年7月、パインハースト・ナンバー6で開催された。
出場資格は「障害がある」だけでは決まらない
2026年大会では、男女、プロ・アマを問わず96人が出場した。応募は250件だった。
出場には、障害者ゴルフ世界ランキングの適格証明である「WR4GDパス」と、世界ハンディキャップ制度に基づくハンディキャップ指数が必要になる。2026年の上限は36.4だった。
全米ゴルフ協会は選手を、知的障害、下肢障害、複数肢切断、協調運動障害、座位選手、低身長、上肢障害、視覚障害の8区分に整理している。
WR4GDパスは、この大会で対象となる障害の適格性を確認する役割を持つ。単に自己申告で区分を選ぶ仕組みではない。
同じコースでも、全員が同じ距離を回るわけではない
異なる障害区分を一つの順位表へ載せるため、2026年大会では5種類のティーが用意された。前年の4種類から一つ増えている。
設定距離は約3,575ヤードから6,421ヤード。8つの障害区分それぞれの選手のニーズに合わせてコース距離を変える方式だ。
これはハンディキャップをスコアへ足し引きして順位を作る方式ではない。選手がプレーする距離そのものを区分に応じて調整し、そのうえで実際の打数を競う。
異なる障害の間で完全な公平性が科学的に保証される、とまで言える資料ではない。それでも、全米ゴルフ協会が大会を成立させるために採用している具体的な方法は、まず競技距離を一律にしないことだった。
総合王者と区分別の競争を同時に置く
大会は54ホールのストロークプレーで、36ホール終了後にカットがある。
2026年は男子総合20位タイまで、女子総合10位タイまでに加え、各障害区分の男子上位3人タイ、女子上位2人タイ、さらに区分首位から5打以内の選手が最終日に進める仕組みだった。
つまり、全員を一つの大会へ入れながら、評価軸は一つだけではない。
男子・女子の総合優勝を決める一方で、障害区分ごとの順位と表彰も並立させる。総合王者を争える選手を残しつつ、各区分内の競争も最後まで成立させる設計になっている。
5年で男子史上初の4連覇が生まれた
初代男子王者は2022年のサイモン・リー。翌2023年からキップ・ポパートが勝ち始めた。
ポパートは2023年、2024年、2025年に続き、2026年も男子総合優勝。全米ゴルフ協会によれば、同じ全米選手権を4年連続で制した男子選手は史上初だった。
女子ではキム・ムーアが2022年の初代王者となり、2025年、2026年にも優勝。通算3勝となった。
大会の仕組みがこの記録を「生んだ」と因果で結ぶことはできない。ただ、2022年まで存在しなかった全米選手権に、5年間で独自の連覇記録と複数回優勝の歴史が積み上がったことは事実だ。
2026年は予選会も8会場へ広がった
2026年大会では8会場で予選が行われた。
各会場の男女最少スコア各1人に加え、残る枠は8会場を横断し、障害区分と性別ごとに調整したスコア差を使って配分された。
本戦だけでなく、そこへ入る段階から「総合」と「区分」の両方を組み合わせている。
第5回となった2026年大会は、メリーランド州ウッドモント・カントリークラブのサウスコースで7月6日から8日まで開催された。96人が54ホールを競い、8障害区分、5種類のティー、総合順位と区分別順位が同じ大会の中で動いた。
全米アダプティブ・オープンが作ったのは、障害の違いを消して全員を同じ条件にする競技ではない。
違いを区分し、距離を調整し、総合王者と区分別の競争を同時に成立させる。その仕組みを正式な全米選手権として運用したからこそ、2026年には「同じ大会を4年連続で制した初の男子」という、全米ゴルフ協会全体の記録まで生まれる舞台になった。
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開場8か月で全米オープンが決まった理由
3行まとめ
- 2007年に開場したピアース郡所有の市営コース、チェンバーズベイは、わずか8か月後に2010年全米アマと2015年全米オープンの開催地に決まった。
- 全米ゴルフ協会が当時評価した競技性、観戦性、地域の運営力と、2010年大会で得た実運用の知見、その後の継続開催を追う。
- チェンバーズベイは、旧砂・砂利採掘地を含む土地に造られた。