グミ補給で疲労は減ってもスコアは同じ?
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 18ホールで毎時約30グラムの糖質をグミで補給した11人の競技ゴルファー試験では、間質グルコースの低下や主観的疲労が抑えられ、集中も維持された一方、スコア、パット、ヘッド速度、飛距離、方向性には有意な改善が出なかった。
- 2024年の同研究系統の追試と2026年時点の証拠まで整理する。
- 2023年に公表された試験では、12人の男性競技ゴルファーが参加し、間質グルコースのデータが欠けた1人を除く11人が解析対象になった。
「ラウンド後半の疲れを抑えられれば、スコアも良くなる」。
そう考えると、糖質補給は分かりやすい対策に見える。ところが、実際の18ホールでグミを食べ続けた研究では、体と感覚に出た変化と、ゴルフの成績がきれいに分かれた。
間質グルコースの低下は抑えられた。疲労感も小さく、集中も維持された。それでも、スコアは良くならなかった。
このズレが、この研究のいちばん面白いところだ。
11人が18ホールを2回回った
2023年に公表された試験では、12人の男性競技ゴルファーが参加し、間質グルコースのデータが欠けた1人を除く11人が解析対象になった。平均年齢は20.1歳。関東学生ゴルフ連盟1部に所属し、全国・地域大会の経験がある若い競技選手だった。
試験は同じ選手が条件を替えて18ホールを回る交差方式で、条件の間には1週間を空けた。
糖質を摂る日は、ブルボンのグミを3ホールごとに12個受け取り、1ホールにつき4個ずつ食べた。18ホール合計72個。論文が報告した糖質量は162.5グラムで、平均すると毎時31.1グラムだった。
ラウンド中のほかの摂取は水だけで、500ミリリットルを2本。対照条件では試験食を食べなかった。
つまり「途中で少し甘い物をつまむ」程度ではなく、18ホールを通して一定量の糖質を入れ続ける設計だった。
間質グルコースと疲労には差が出た
研究が測ったのは、スコアだけではない。間質グルコース、2.5メートルのパット、ヘッド速度、飛距離、方向性に加え、疲労、集中、リラックス感も調べている。
糖質を摂った条件では、間質グルコースに全体として有意な差があり、4〜6番ホール以降、終盤まで低下が抑えられた。区間ごとの効果量dは約1.29〜1.70だった。
主観的な疲労も全体として差があり、6、9、12、15、18番ホールで糖質摂取条件の疲労が低かった。効果量dは約1.13〜1.85。集中も全体で差があり、18番ホールでは効果量dが1.21だった。
一方、リラックス感には有意な差が出ていない。
少なくともこの11人では、ラウンド後半の「エネルギーが落ちていく感じ」に近い指標には、糖質補給の影響が表れた。
ところがゴルフ成績は変わらなかった
ここから結果が分かれる。
スコアは有意差なし。2.5メートルのパットも、ヘッド速度も、飛距離も、方向性も有意な改善は確認されなかった。
統計上の値は、スコアがp=0.906、2.5メートルのパットがp=0.101、ヘッド速度がp=0.818、飛距離がp=0.575、方向性がp=0.103だった。
これは「糖質を摂るとゴルフが悪くなる」という結果ではない。糖質を摂った条件と摂らなかった条件を比べても、ゴルフ成績が良くなったと確認できなかった、ということだ。
間質グルコースが安定し、本人は疲れにくく感じ、集中も保たれた。それでも、その変化がそのまま1打の差にはならなかった。
著者は研究の限界として、普段からラウンドしている競技ゴルファーには18ホールだけでは十分な疲労負荷にならなかった可能性も挙げている。ただ、なぜ成績差が出なかったのかをこの試験だけで確定することはできない。
2024年の追試でも「疲労」と「成績」は分かれた
翌2024年には、同じ研究系統から29人を解析した別の試験が公表された。
こちらは無作為化した二重盲検の並行群試験で、毎時30.9グラムの低糖質条件と、44.2〜44.5グラムの高糖質条件を比較した。
高糖質の2群では、18ホール後の主観的疲労が低く、血糖やエネルギー不足に関係する指標にも差が出た。一方で、スコアなどのゴルフ成績には有意な群間差が確認されなかった。
2023年の11人試験とは設計が違うが、「疲労などには差が出ても、ゴルフ成績の差までは確認できない」という方向は続いた。
研究支援はブルボン、独立追試はまだない
結果を読むうえで、資金提供も外せない。
2023年試験はブルボンの研究支援を受け、共著者1人が同社従業員だった。著者の開示では、その共著者は実験設計、データ収集・分析・解釈、執筆、出版判断には参加していない。
出典:pubmed.ncbi.nlm.nih.gov / doi.org / mdpi.com(2・3) / pmc.ncbi.nlm.nih.gov
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