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冬のフェアウェイは植えずに塗る

GOLF DNA編集部🌐

コース設計を俯瞰するイメージ
3行まとめ
  • 冬も緑のフェアウェイをつくる方法は、冬芝を育てることだけではない。
  • 休眠したバミューダグラスを着色する管理へ切り替えた実例では、水や資源投入が減った一方、摩耗や再散布という別の管理課題が生まれた。
  • 2015年から2025年末までの実地例と管理知見から、追播との違いを追う。

冬のフェアウェイを緑に保つため、暖地では秋にライグラスの種をまき、冬だけ別の芝を育てる方法が長く使われてきた。いわゆる追播だ。

ところが、冬に休眠して茶色くなるバミューダグラスをそのまま残し、表面だけを着色するコースが増えている。

見た目はどちらも緑でも、管理の中身は正反対だ。片方は冬芝を育て、もう片方は冬芝を育てない。

この違いは、水、費用、プレー状態、そして春の芝の戻り方まで変える。

冬にもう一枚の芝を育てる負担

追播では、秋にライグラスをまき、発芽させ、冬の間も水や肥料を使って維持する。春になると、今度はその冬芝と本来のバミューダグラスが入れ替わる時期を管理しなければならない。

着色剤を使う方法では、この冬芝そのものを育てない。休眠したバミューダグラスへ色を付け、見た目の緑を維持する。

全米ゴルフ協会の実地事例では、この切り替えによって水だけでなく、種、肥料、燃料、農薬、労働を減らせた例が報告されている。

アリゾナでは冬の水使用が20%超減った

米アリゾナ州南部の事例では、2015年秋にライグラスの追播をやめ、20エーカーを少し超えるフェアウェイとラフへ着色剤を使った。

このコースは塩分を含む再生水と排水条件の問題があり、そもそも追播の維持が難しかった。

管理者の報告では、10月から翌年3月末までの水使用量は過去の年より20%超減った。着色処理にかかる費用の見積もりは約3万ドルだった。

これは全コースに当てはまる節水率ではない。水源や芝、面積、気候が違えば数字も変わる。それでも、冬芝を発芽・生育させる工程そのものを外せば、水の使い方が大きく変わり得ることは分かる。

別のコースでは年間水使用が約30%減少

ノースカロライナ州のブランズウィック・プランテーションでも、フェアウェイの追播から着色剤へ切り替えた後、年間水使用量が約30%減ったと報告された。

肥料、燃料、農薬、水などを合わせた資源費は、多くの年で最大8万ドルの削減になったという。

カントリークラブ・オブ・ランドフォールの事例でも、水、種、肥料、労働の節約が報告されている。さらに、冬のライグラスと春に戻る暖地型芝が競合する問題や、その時期のプレー状態への影響を避けやすくなった。

つまり着色は、単に「芝を塗って安くする」話ではない。冬だけ別の芝を育てる工程を丸ごと外し、年間の管理設計を変える方法だ。

春は楽になるが、冬の摩耗には弱い

追播をやめる利点の一つが春の移行だ。

冬のライグラスを減らしながらバミューダグラスへ戻す作業がなくなるため、全米ゴルフ協会は秋の作業中断や春の移行不良を避けやすいと説明している。

その代わり、休眠したバミューダグラスは冬に新しい葉を作らない。傷んでも生育で回復できないため、人やカートが集中する場所では状態が悪くなることがある。

ここは、生きた冬芝を育てる追播との大きな違いだ。水や資材を減らせても、交通量の管理まで不要になるわけではない。

一度塗れば冬中そのままではない

着色剤にも手間はある。

全米ゴルフ協会の2025年の南西部向け資料では、砂漠の冬で多くの着色剤は7〜14日程度の色持ちを想定している。交通、天候、刈り込みによって退色の速さは変わる。

完全に休眠した後は、結着成分を含む塗料を薄く2〜3週間ごとに使う例もある。南東部向けの同年資料でも、おおむね2週間ごとの再散布、土壌水分の管理、交通制御が重要とされている。

色むらや退色、青灰色っぽく見えることもあり、塗れば自然芝とまったく同じ見え方になるわけでもない。

「冬も緑」の作り方が変わった

2026年時点で直近の全米ゴルフ協会の管理資料を見ると、着色剤は追播の代替として南西部・南東部で現役の選択肢になっている。

実地例では20%超、約30%という節水や、数万ドル規模の資源費削減が出たコースもある。しかし、それは個別条件で出た結果であり、どこでも同じ数字になるわけではない。

着色剤へ切り替える意味は、芝を緑に見せる技術よりも、冬に何を育てるかという判断を変えたことにある。

追播は冬用の芝を育てる。着色は本来の芝を休ませたまま、色とプレー面を管理する。

同じ「緑のフェアウェイ」でも、中で動いている管理はまったく別物になった。

出典:USGA23456

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