ラスベガスはなぜ芝を900エーカー減らした
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 南ネバダでは1999年以降、30のゴルフ場が900エーカー超の芝を砂漠景観へ転換した。
- 水予算は灌漑1エーカー当たり年6.3から4.0エーカーフィートへ。
- 芝を全部なくすのではなく、プレーに必要な場所を残しながら水を削る仕組みが2026年までにどう変わったかを追う。
ラスベガスのゴルフ場は、砂漠の中に広い芝を維持している。水を使う象徴に見えやすい。
だが南ネバダで20年以上続いてきたのは、「ゴルフ場をなくす」実験ではない。プレーに必要な芝と、なくしても競技に支障が少ない芝を分け、後者から削る実験だった。
南ネバダ水道局によると、1999年以降、地元30コースが900エーカー超の芝を砂漠景観へ置き換えた。2026年9月に確認できる現行資料では、撤去した芝は累計4400万平方フィート超。公表上の節水量は24億ガロンに達している。
ゴルフ場は地域の水の5%を使う
南ネバダ水道局が示す地域の水使用構成では、ゴルフ場は5%を占める。住民向けは60%だ。
この5%はネバダ州全体の水使用でも、コロラド川だけの使用比率でもない。水道局が示す「地域の水」の構成比だ。
それでも、ゴルフ場の水が厳しく見られる理由はある。ラスベガス・バレー水道区によると、南ネバダの平均的なゴルフ場は年725エーカーフィートを使い、その大半はフェアウェイやグリーンなどの灌漑に向かう。屋内で使った水のようにミード湖へ回収して戻せない水が多いからだ。
先に消したのは、ほとんどプレーされない芝
南ネバダ水道局の現行資料には、GPS機器を付けたボールを使い、ほとんどプレーされていない区域を見つける方法まで紹介されている。フェアウェイ外の非プレー区域や、練習場などにある不要な芝を特定し、砂漠景観へ置き換えるためだ。
一方、制度上の「ゴルフのプレー区域」には、ドライビングレンジ、チッピング・パッティンググリーン、ティー、グリーン、フェアウェイ、ラフが含まれる。
つまり発想は、芝を一律に削ることではない。ショットに使う面は機能のある芝として残し、装飾や境界部など、競技への影響が小さい場所から外していく。
芝を点滴灌漑の砂漠景観へ変えた場所について、水道局は1平方フィート当たり55ガロンの節水になるとしている。現在公表している4400万平方フィート超、24億ガロンという累計値も、この長期の芝転換の延長線上にある。
レッドロックでは135エーカーを転換した
レッドロック・カントリークラブでは、2020年の業界報道で、コース境界部など135エーカーの芝を耐乾燥型の景観へ転換した事例が紹介されている。元コース管理責任者の説明では、年間3億2300万ガロンの節水につながり、芝撤去への還付金は350万ドルを超えた。水と維持費を抑え、収益性にも寄与したという。
スパニッシュ・トレイル・カントリークラブでも、水道局が2026年に紹介した事例では、29万2915平方フィートの芝を撤去し、砂漠向けの樹木や植物へ置き換えている。
2024年から、水予算は6.3から4.0へ
長く続いた芝撤去は、やがて自主的な節水だけではなく、水予算そのものの厳格化へ進んだ。
南ネバダ水道局の理事会は2022年、ゴルフ場の年間水予算を灌漑1エーカー当たり6.3エーカーフィートから4.0へ引き下げる方針を支持した。
ラスベガス・バレー水道区では2023年1月に承認され、2024年から4.0エーカーフィートが現行予算になった。対象には上水だけでなく、原水、再生水、リサイクル水も含まれ、灌漑面積には湖や池も入る。
使用量が予算の101〜120%なら超過分に最高非上水料金の2倍、121〜140%なら5倍、140%超なら9倍の追加料金がかかる。
コース側から見れば、「節水した方がよい」から「予算内に収めるよう設計し直す必要がある」へ、圧力の質が変わった。
新しいゴルフ場には、さらに高い壁がある
ラスベガス市と未編入クラーク郡では、2021年11月2日以降に新設されるゴルフ場は、コロラド川由来の水を使えない。上水・非上水の双方が対象だ。
既存コースはこの「新設禁止」の対象外だが、4.0エーカーフィートの水予算には向き合う。
つまり南ネバダの政策は二段構えになった。すでにあるコースには、芝を減らしながら使用量を絞る。新しく作るコースには、そもそもコロラド川の水を前提にしない設計を求める。
2026年、実験はまだ終わっていない
ラスベガス・バレー水道区によると、地域では2002年から2025年までに1人当たりの水使用量を58%削減した。それでも2026年の現行案内では、さらに削減する必要性が高まっているとしている。2027年には、非機能芝へのコロラド川由来の水の使用禁止も予定されている。
出典:snwa.com(2・3・4) / lvvwd.com / linkedin.com / nevadabusiness.com
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