2ツアーの昇格枠を1本の上位10人へ
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2023年まで別々だったカナダと中南米の育成ツアーは2024年、単一ポイント表の上位10人がコーンフェリーツアーへ進む大陸横断ルートに統合された。
- 2026年は15大会・9か国、予選会も開幕前へ。
- なぜ一本化し、昇格の仕組みがどう変わったのかを追う。
2023年まで、米男子ツアーの下には二つの別々の道があった。
カナダを中心に回るPGAツアー・カナダと、中南米を回るPGAツアー・ラテンアメリカだ。それぞれが独自の日程と順位表を持ち、上位者を次のコーンフェリーツアーへ送り出していた。
2024年、その二つは「PGAツアー・アメリカズ(PGA TOUR Americas)」という一本の大陸横断ツアーにまとめられた。
見た目は名称変更に近い。だが実際に変わったのは、次のツアーへ進むための競争相手と順位表だった。
以前は「各ツアーの上位5人」だった
統合直前の仕組みを見ると違いが分かりやすい。
最後のPGAツアー・ラテンアメリカは2022〜23年に12大会を実施し、最終順位の上位5人が2024年のコーンフェリーツアー資格を得た。
一方、2023年のPGAツアー・カナダも上位5人を次段階へ送ったが、資格の強さは同じではなかった。1位は2024年コーンフェリーツアーのフルメンバー資格、2〜5位は条件付き資格だった。
つまり統合前は、カナダと中南米で別々の順位表を走り、それぞれの上位者が昇格していた。
2024年、16大会を一つの順位表で争う形へ
米男子ツアーが2023年に発表した新しいアメリカズは、初年度16大会。中南米、カナダ、米国をまたぎ、最終ポイント上位10人に翌年のコーンフェリーツアー資格を与える設計だった。
実際の2024年は8か国で16大会が行われ、上位10人が2025年のコーンフェリーツアーへ進んだ。1位は順位組み替えの影響を受けない資格を得る一方、2〜10位はシーズン中の順位組み替えの対象となるなど、10人全員がまったく同じ優先順位ではなかった。
重要なのは人数だけではない。旧2ツアーで合計すれば「5人+5人」だった昇格枠が、統合後は一つのポイント表の「上位10人」に置き換わったことだ。
2025年も最終上位10人が2026年のコーンフェリーツアー資格を獲得している。
なぜ二つを一本にしたのか
米男子ツアーの公式説明は、単なる運営整理だけではない。
2023年の統合発表では、カナダと中南米で積み上げてきた歴史を土台に、有力選手を見つけ、育て、次の段階へ進む準備をすることが目的として示された。
2024年の開幕時には、コーンフェリーツアーのアレックス・ボールドウィン社長が、旧2ツアーで異なっていた運営をまとめ、選手、スポンサー、ファンにとってより効率的で価値のある仕組みにするという考えを説明している。
つまり一本化の狙いは、「地域ツアーをなくすこと」そのものではなく、育成と昇格の経路を一つの体系へつなぎ直すことにあった。
2026年は予選会も開幕前へ移した
統合後も仕組みは固定されていない。
2026年は15大会、9か国を4月から10月まで回る日程になった。さらに大きく変わったのが予選会だ。
それまでは5月に予選会があり、シーズンが前後二つに分かれる形になっていた。2026年はこれを3月へ前倒しし、開幕前に5会場で実施。各会場の上位8人が会員資格、9〜25位タイが条件付き資格を得る形にした。
これにより、予選会で得た資格と優先順位を15大会のシーズン全体へ適用できるようになった。
2026年の最終ポイント上位10人には2027年のコーンフェリーツアー資格、上位60人には翌年のPGAツアー・アメリカズ資格が与えられる。
ただし2026年9月11日時点ではシーズン途中で、最終上位10人はまだ確定していない。
一本化が「成功した」とまでは言えない
統合後のルートから上へ進んだ具体例はある。
2024年のアメリカズ年間1位だったジョニー・キーファーは、翌2025年にコーンフェリーツアーのポイント1位となり、2026年の米男子ツアー資格を得た。
ただ、この一例をもって制度全体の成功を証明することはできない。
同じ理由で、大陸横断になったことで遠征負担が増えた、あるいは地域ごとの出場機会が増えたとも断定できない。旧2ツアーと統合後を同じ基準で比べた選手一人当たりの移動距離、遠征費、地域別出場機会の公開データは確認できていないからだ。
関連記事
裵相文は兵役2年からどう戻った
3行まとめ
- 米男子ツアー2勝後に2年間の兵役で競技を離れた裵相文。
- 復帰資格は残されていたが、最初の17戦は予選通過5回。
- 約1年の苦戦を経て、2018年の下部ツアー優勝で翌季の出場資格を取り戻すまでを追う。