グローブ有無で算出キャリー約11メートル差
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- 2017年の男性ゴルファー15人による室内実験では、グローブ着用時にドライバーのヘッド速度・ボール初速・算出キャリーが有意に高く、算出キャリーは平均10.91メートル差だった。
- 一方、7番アイアンと前腕筋活動には有意差がなく、2018〜2026年の直接的な独立追試も対象検索では確認できていない。
- ヘッド速度はグローブあり150.76km/h、なし146.93km/hで、差は3.83km/h。
ゴルフグローブを着けると、本当に飛距離は伸びるのか。
2017年に発表された実験では、男性ゴルファー15人がグローブあり・なしでドライバーと7番アイアンを各8球ずつ打った。ドライバーでは、グローブを着けた条件でヘッド速度、ボール初速、算出キャリーの3項目すべてに統計的な差が出た。
中でも目を引くのがキャリーだ。グローブありは平均204.41メートル、なしは193.50メートル。差は10.91メートルだった。
ドライバーでは3つの数字がそろって上がった
ヘッド速度はグローブあり150.76km/h、なし146.93km/hで、差は3.83km/h。ボール初速は218.57km/h対212.49km/hで、6.08km/hの差だった。キャリーを含め、いずれも研究上は統計的に有意な差と判定された。
ただし、ここでいうキャリーは屋外で着地点を測った距離ではない。室内の弾道計測器がクラブ速度、ボール初速、打ち出し角などから算出した値だ。「グローブを着ければ実戦で必ず11メートル伸びる」という結果ではない。
参加者は全員男性の右打ちで、平均ハンデは18.0。平均年齢は24.3歳だった。使用したのはテーラーメイドのST合成グローブで、各自の手に合うサイズを選び、全員がインターロッキングで握っている。
つまり、15人、1種類のグローブ、室内というかなり限定された条件で出た差だ。
7番アイアンでは同じ差が確認できなかった
興味深いのは、同じ参加者が7番アイアンを打つと結果が変わったことだ。
ヘッド速度は130.83km/h対128.25km/h、ボール初速は167.07km/h対162.58km/h、算出キャリーは127.90メートル対122.83メートル。平均値はいずれもグローブありの方が高かったものの、研究で設定した基準では統計的な有意差にはならなかった。
では、なぜドライバーだけ差が出たのか。この実験だけでは原因まで確定していない。
前腕の筋活動にも差はなかった
研究では、左右の前腕にセンサーを付け、浅指屈筋と短橈側手根伸筋の活動も測っている。スイングを5つの局面に分けて比較したが、ドライバーでも7番アイアンでも、グローブの有無による有意差は確認されなかった。
つまり「グローブを着けたから前腕の筋肉がより強く働き、その結果としてドライバーが速くなった」という説明は、この測定結果からは支持されない。
グリップと手の接触状態が変わった可能性などを考えることはできても、この研究の測定だけで原因を決めることはできない。
15人の1研究を「グローブで飛ぶ」に変えてはいけない
この研究は、同じ人がグローブあり・なしの両条件を試す設計だった。ドライバーで出た差そのものは興味深い。一方、標準化した効果量は論文で明示されておらず、対応する測定値同士の相関が分からないため、公開された平均値と標準偏差だけから信頼できる形で作り直すこともできない。
さらに、2018年から2026年までの対象検索でも、同じようにグローブ有無を直接比較し、ドライバーと7番アイアンの結果を独立して再現した査読研究は確認できなかった。
雨や汗で滑りやすい条件、別素材のグローブ、女性や左打ち、低ハンデの選手でも同じ差が出るかも分かっていない。
この実験から言えるのは、「限定された15人の室内試験では、グローブ着用時にドライバーの速度と算出キャリーが高く、7番アイアンでは同じ統計差が出なかった」というところまでだ。
11メートルという数字は面白い。しかし今の証拠では、グローブそのものを飛距離アップ用品と断定するより、クラブが変わると結果まで変わったことの方が重要だ。
出典:pubmed.ncbi.nlm.nih.gov / tandfonline.com / research-portal.uws.ac.uk(2)
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