転がる球を追いかけて打ったミケルソン、失格ではなく2罰打になった理由
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 2018年全米オープンで、ミケルソンは転がる球を追いかけて打ち返し、失格ではなく2罰打を科された。
- USGAは球を止める別の行為ではなくストロークと判断し、当時の規則14-5を適用した。
- 本人は罰を承知していたと説明したが、2罰打を受ければ許されるプレーになったわけではない。
2018年6月16日、全米オープン第3ラウンドの13番グリーン。フィル・ミケルソンのパットがカップを通り過ぎ、グリーンの外へ向かって転がっていった。ミケルソンは球を追いかけ、止まる前にパターで打ち返した。シネコック・ヒルズでのこの行為に、USGAが科したのは失格ではなく2罰打だった。
罰を承知して打った、と本人は説明した
ラウンド後のFOXのインタビューで、ミケルソンは2罰打になると理解しており、球を行ったり来たりさせたくなかったという趣旨の説明をした。うっかり動く球に当てた、という説明ではなかった。
それでも失格にならなかった理由は、本人が2罰打を受け入れたからではない。USGAは、何をした行為なのかを当時の規則に当てはめて判断していた。
球を止める行為と、球へのストロークを分けた
USGAの追加説明は、これを球を止めたり方向を変えたりする別の行為ではなく、球を打って動かす意図でクラブを前方へ動かした「ストローク」と扱った。動く球へのストロークは旧規則14-5が禁じており、罰は2罰打。そのストローク自体も数え、13番は10になった。
一方、球の動きに影響を与える旧規則1-2には、重大な違反に対して委員会が失格にできる規定があった。ただし、別の規則が明確に扱う行為は、その規則で処理するという例外もあった。ミケルソンの行為は14-5が扱うストロークだったため、USGAは1-2を適用しなかった。
14-5には重大な違反による失格の罰則がなく、委員会は失格を含む追加の罰の根拠もないと判断した。これがUSGAの示した、2罰打にとどめた理由だった。
2罰打は、プレーの許可ではない
この説明は、禁止された行為に当時の規則で罰を科した根拠であって、罰打を払えば動く球を打ってよい、という意味ではない。
現行規則10.1dでも、動く球へのストロークは原則禁止され、ストロークプレーではその打数に2罰打が加わる。また規則1.2aは、委員会が重大な不正行為と判断した場合の失格を認めている。2018年の裁定を、そのまま現在の同様の行為の結論にすることはできない。
あの13番は、見た目には転がる球を途中で止めるためのプレーだった。しかし裁定を分けたのは、球を止める別の行為ではなく、球へのストロークに当たるという規則上の区別だった。
出典:USGA / wagolf.org / usopen.com / Golf Monthly / The R&A(2)
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