人が消えたのに、イノシシもコースから遠ざかった 鍵は外の狩猟か
GOLF DNA編集部🇪🇸
3行まとめ
- スペインの3ゴルフ場を調べると、ロックダウン中はコースに入るイノシシの記録が減った。
- 研究者は、周辺の狩猟が止まり、狩猟禁止のコースへ逃げる必要が薄れた可能性を示す。
- ただし狩猟だけが原因と確定したわけではなく、周囲の環境も同時に変わっていた。
人がいなくなれば、ゴルフ場に野生動物が増える。そう考えたくなる。
ところがスペイン南部の3コースでは、コロナ禍のロックダウン中、コースへ入るイノシシの記録が減った。2026年に公表された研究が示した、直感と逆の結果だ。
3コースへ続く通り道を、18台のカメラで見た
研究者は2020年6月から2022年3月まで、ゴルフ場へつながる動物の通り道を18台のカメラで監視した。延べ2639夜の観測で、30分以上離れた撮影を別の出来事として数えると、イノシシの記録は1093件、アカシカは225件だった。
人の活動が通常どおりだった時期と比べ、ロックダウン中はイノシシがコースへ入る頻度が統計的に低かった。ここで減ったのは、確認された「侵入の頻度」だ。イノシシの個体数が減ったと分かったわけではない。
コースの外が安全になれば、逃げ込む理由が減る
調査地ではゴルフ場内での銃猟が禁じられている一方、周辺ではイノシシが狩猟の対象になる。イノシシにとってコースは、芝や水があるだけでなく、銃猟を避けられる場所にもなり得る。
ロックダウン中は、コース内の人間活動だけでなく、周辺の狩猟も止まった。外が安全になれば、わざわざコースへ逃げ込む価値が下がる。研究者は、観測された変化をこの「避難所効果」で説明している。
同じ調査でアカシカは、周辺が狩猟期のときにコースへ入る頻度が高かった。種は違っても、コースの外の危険が中の使われ方を左右する、という見方を支える結果だ。
理由は狩猟だけと決めつけない
ただし、これは狩猟だけを止めた実験ではない。ロックダウン中は交通、騒音、人のにおい、餌になるものなども変わった。狩猟停止がどれだけ影響したかを単独で証明したわけではない。
対象もスペイン南部の3コースだ。日本のゴルフ場で同じ数字になるとは言えない。それでも、イノシシがフェアウェイに来る理由を考える時、コースの中の餌や柵だけでなく、その外がどれほど安全かを見る視点は新しい。
ゴルフ場の『動物対策』は、コースの境界線で終わらないのかもしれない。
出典:mdpi.com
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