グリーンに紫外線、病害が最大8割減!? 農薬なしで2年試した結果
GOLF DNA編集部🇩🇪
3行まとめ
- ドイツの試験グリーンで、農薬を使わずUV-Cを主に週3回照射した。
- 高線量で病害の重症度は46〜81%低下。
- ただし年や測り方で差があり、病気は消えていない。
グリーンキーパーが芝の病気に向けたのは、薬剤の散布ノズルではなく紫外線のランプだった。ドイツのゴルフ場で、芝の上を装置が走り、週に3回、光を当てる。SFみたいだが、2020年から2022年に実際に行われた試験だ。
結果を先に言うと、病気は減った。でも、消えなかった。この「惜しい」が、むしろ面白い。
グリーンを月・水・金に照らす
舞台はオスナブリュック・ゴルフクラブの試験グリーン。研究チームは72平方メートルを無処理と3段階の照射条件に分けた。主な照射期は月・水・金の週3回。雨や雪解けで地面が柔らかい冬は、装置を走らせられるときに限った。試験期間中、このグリーンに農薬は使っていない。
対象は芝に斑点や傷みを生む二つの病害、ダラースポットとミクロドキウムパッチ。高線量のUV-C(殺菌に使われる短波長の紫外線)を当てた区画では、論文の要約によると病害の重症度が無処理より46〜81%低かった。芝の見た目も、中・高線量の区画では無処理より良かった。
それでも「光で完治」ではない
81%減だけを見れば、薬剤はもう要らないように聞こえる。でも、どの条件でも病気は残った。年や病気の種類、何を指標にするかで効果の見え方も変わり、統計的な差がはっきりしなかった比較もある。「週3回照らせば必ず8割減る」とは言えない。
光には死角がある。芝の表面には届いても、葉の陰や土の中の病原体には届きにくい。しかも雨でグリーンが軟らかければ、装置そのものを走らせにくい。相手は芝の病気だけではなく、コースの凹凸や天気でもあるわけだ。
次の勝負は、コース全体で回せるか
この試験は小区画での2年間。装置代や電力、人手まで含めて、実際のコース全体で薬剤を置き換えられると示したわけではない。研究者も、必要な照射量や、病気がもっと激しい条件での検証を課題に挙げている。
それでも、グリーンの管理に「何をまくか」だけでなく「どんな光を、いつ当てるか」が加わった。ボールが転がる数ミリの芝を守るために、こんな実験まで行われている。次に知りたいのは、実験区で見えた効果を、18ホールの日常へ持ち込めるかだ。
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