無観客で平均0.36打よくなった。でも「日曜のパット」はほぼ同じ
GOLF DNA編集部🇺🇸
3行まとめ
- 米国男子(PGAツアー)の無観客での競技再開後、平均スコアは70.44。
- 直前約2年半の70.80より0.36打低かった。
- 一方、最終日の5〜10フィートのパット成功率は約57%から58%へ小幅な変化。
歓声が消えたグリーンでは、プロのパットが急に入るようになったのか。2020年、観客なしで再開した米国男子(PGAツアー)の数字は、一見するとそう思わせる。平均スコアは直前約2年半の70.80から70.44へ、0.36打よくなった。ところが、最終日の短いパットだけを見ると、変化はずっと小さい。
スコアは改善、60台のラウンドも増加
米国男子(PGAツアー)が2021年2月に公表した分析によると、2020年の競技再開後の平均スコアは70.44。比較対象となった再開前の約2年半は70.80だった。60台で回ったラウンドの割合も36.0%から41.7%へ上がった。
観客のいない大会は、たまたま数試合だけではない。ツアーは2020年7月、すでに無観客で行った再開後の5大会に続き、そのシーズンの残り大会も観客を入れないと発表している。普段は切り離せないギャラリーが、長くコースから消えた。
でも、最終日のパットは約57%から58%
声や視線がプレッシャーになるなら、日曜のグリーンで差が出そうだ。同じツアーの分析では、最終日の5〜10フィート(約1.5〜3メートル)のパット成功率は、2017-18年と2018-19年に約57%。2020年の再開後は58%だった。少なくともこの距離では、スコア全体ほど目立つ変化はない。
そもそも、平均スコアは無観客以前にも改善していた。2017-18年は70.91、翌2018-19年は70.70。コース設定や天候、出場選手なども変わる。再開後の0.36打を、そのまま『観客がいない効果』と呼ぶことはできない。
832人を追った研究でも、答えは一つに絞れない
2024年の欧州スポーツ科学会議では、2018〜2022年の米国男子(PGAツアー)選手832人を分析した研究が発表された。学会抄録によると、成績は無観客期が最もよかった。ただし、観客が戻った時期も、パンデミック前よりよかった。観客の有無だけでなく、時代とともに変わった別の条件も考える必要がある。
この発表は確認できる範囲では学会抄録であり、詳しい大会別の調整や個々の選手への影響まで読み取れる全文論文ではない。ツアーの集計も研究発表も、観客がスコアを何打変えたかの因果関係を証明したものではない。
無観客期にスコアがよかったのは事実。だが『静かだからパットが入った』という分かりやすい説明ほど、パットの数字は動いていなかった。ゴルフのスコアは、観客一つを抜き出して語るには複雑だ。
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