雨でドライバーは飛ばない。なのにスコアは良い? 10万8492ラウンドの逆説
GOLF DNA編集部🌐
3行まとめ
- PGAツアーの10万8492選手ラウンドを天候と照合した研究で、意外な組み合わせが出た。
- 雨や湿度が高い条件はドライビング距離を縮める一方、総打数も少ない方向に関連した。
- 「雨なら好スコア」ではない。
雨や湿度の高い条件では、ドライバーの総飛距離が短い方向に動く。ところが18ホールの総打数も、少ない方向に関連した。飛ばない日に、打数まで減る可能性があるのか。
2025年に『International Journal of Golf Science』に掲載された研究は、2017〜2023年のPGAツアーの成績と天候を照合した。総打数の分析対象は10万8492選手ラウンド。雨や湿度が多い条件ではドライビング距離が短い方向なのに、18ホールの打数も少ない方向に関連した。飛ばないのに、数字上は悪くないのだ。
フェアウェイでは転がらず、グリーンでは止まる?
研究で使ったドライビング距離はキャリーだけではなく、着地後のランを含む。濡れたフェアウェイならランが減る――距離の落ち方は想像しやすい。
では、打数が減る方向との関係はなぜか。著者らは一つの可能性として、雨で柔らかくなったグリーンを挙げる。乾いて硬いグリーンで起きる跳ねや、奥への転がり過ぎが抑えられれば、アプローチを止めやすくなるかもしれない。ティーショットの損と、グリーンを狙う場面の得が同じラウンドで起き得る。
ただし、これは研究者の説明仮説だ。雨がスコアを良くしたと証明されたわけではない。
10万ラウンドでも「雨なら狙い目」とは言えない
この分析は、選手のティータイムから推定したプレー時間帯の天候を成績に重ねている。降水量にはラウンド中だけでなく、スタート前24時間の雨も含めた。つまり、晴れていても地面がまだ濡れていたラウンドが「雨の影響」に入る。
風は別の顔を見せた。モデル上、平均風速が約3.8メートル毎秒高い条件は、総打数が約1.15打多い方向に関連した。これは統計上の条件差で、「今日の風速が3.8メートル毎秒なら必ず1.15打増える」という予言ではない。
選手の調子、コースの設定、ピン位置、芝の硬さなどを完全にそろえた実験でもない。論文の結論を、自分のラウンドの保証にはできない。
次の雨上がり、見るべきものが二つになる
この研究から一般のゴルファーが持ち帰れるのは、「雨なら予約しよう」ではなく、ランとグリーンの止まり方を別々に見る視点だろう。ドライバーがいつもより転がらない日でも、グリーンで球が止まりやすいなら、攻め方の計算は変わる。逆に風が強ければ、距離だけでなく方向の読みも難しくなる。
飛ばないから不利、と一打目だけで一日を決めつけるのは早い。ゴルフのスコアは18ホールで決まる。その当たり前を、10万を超えるラウンドが少し意外な形で見せてくれた。
出典:International Journal of Golf Science
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