パットを外すと「メンタルだね」。606人の研究で分かった、練習の効き方
GOLF DNA編集部🌐
3行まとめ
- ゴルファー606人を含む15研究では、心理練習を受けた人の不安と競技成績に改善傾向が見られた。
- ただし成績の「0.70」は0.7打ではなく、異なる結果を比べるための統計値だ。
- 効く練習法や回数はまだ決められない。
短いパットを外した帰り道、「メンタルだね」と言われる。そんな一言で片づけたくなる場面はある。でも、気持ちの問題なら何を練習すればいいのだろう。
2026年8月に公表された研究は、ゴルファーを対象にした15件の試験、計606人の結果をまとめた。イメージ練習やリラックス法など、心理面に働きかける練習は、競技中の不安を和らげ、パフォーマンスを良くする方向を示した。ただし「これをやれば何打縮む」と言える結果ではない。
まず「0.70打縮む」は読み違い
この研究で、競技成績の改善を示す数字は0.70。不安の減少を示す数字はマイナス0.29だった。
ここでの0.70は打数ではない。パッティングの成績、18ホールのスコア、ショートゲームなど、違う物差しで測った結果を合わせるための「標準化した効果量」だ。0.70をそのままスコアカードから引くことはできない。
しかも、成績への効果は研究ごとの差が大きい。論文も、得られた証拠の確かさを「低い」と評価している。良い結果が出た研究ほど公表されやすい偏りも疑われ、欠けた研究を統計的に補うと、見積もられた効果は小さくなった。方向は期待できても、あなたの次のラウンドで何打変わるかまでは分からない。
週2〜3回、30分以内が正解?
研究では、週2〜3回、1回30分以内の練習で比較的大きな効果が見える区分もあった。これならすぐ始められそうだ。
ただし、ここが二つ目の落とし穴。研究数の少ない区分を比べた探索的な結果で、練習回数や時間が効果の差を生んだとは確認できていない。「週3回やれば効く」という処方箋にはならない。
対象になった研究の多くはアマチュアや初心者で、女性は参加者の約27%。トッププロにも、すべての女性ゴルファーにも同じように効くと断定する材料はない。だからこそ一般のゴルファーが試すきっかけにはなるが、全員に同じ方法を当てはめる根拠にはならない。
気合いではなく、練習として扱う
一番もったいないのは、パットを外すたび「メンタルが弱い」で思考を止めることだろう。イメージ練習や呼吸を整える時間を練習に組み込み、不安の感じ方や短いパットの結果を自分で記録してみる。これは論文が保証した必勝法ではなく、自分に合うかを見極めるための実践案だ。
心理練習は魔法の0.7打ではない。それでも、打ち方を練習するのと同じように、試して確かめる価値はありそうだ。
出典:link.springer.com / pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
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