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ギア/シャフト 調査・執筆 公開

モーダスとDGの違い・選び方

振り心地と球筋から、試すモデルを絞る

DGだと、しっかり振った球は気持ちいい。でも少し力を抜くと球が低い。モーダスに替えたら楽になるのか、それとも当たり際の頼りなさが気になるのか。買い替えで知りたいのは、そこだろう。

モーダス120の比較試打には、DGよりしなりを感じやすく、球を上げやすかった例がある。ただ、105や115まで同じ振り心地ではないし、130はまた別の動き方をする。DGにも105・120・MIDがある。「モーダスかDGか」を決める前に、今の何を残して、何を変えたいかを考えると、試す一本を絞りやすい。

メーカーの公表仕様と、試打者が述べた感触・球筋をもとにした比較。GOLF DNAによる実打測定ではない。試打ごとの条件は末尾に記載する。

DGとモーダス120。違いを感じやすいのは、しなりを待つ時間

比較の入口になるのが、標準DGとモーダス120だ。ゴルフパートナーの「ギア総研」で山崎康寛が打った例では、DGは打ち出しとスピンを低く抑えやすい一方、120は全体のしなりを感じやすく、高さとスピンを得やすかった。7番アイアンのヘッドスピード約30m/sでの評価だ。

振り心地の言葉に直すと、DGでは自分でクラブを運んで低く当てる感触が残り、120ではたわみが戻るのを感じながら当てやすい、という違いになる。DGで力を入れ続けないと打ちづらい人には気になる差だろう。反対に、その戻りを待つ感触が合わず、当たり際が遅く感じるなら、120の粘りが長所になるとは限らない。

ここで「モーダスは柔らかい」とシリーズ全体を決めてしまうと、次の試打で迷う。120のしなりが気に入らなくても、105・115・125まで候補から外す必要はない。

N.S.PRO MODUS³ TOUR 120のメーカー製品写真
MODUS³ TOUR 120。中間部のしなりを使う設計で、モーダス全体を代表する硬さではない。写真:日本シャフト。

モーダス6モデルは、重さ違いの同じシャフトではない

105から130まで、数字だけを見て順番に試すより、どこでしなりを感じたいかで分けたい。日本シャフトの設計説明と、石井良介がSフレックス5モデルを打ったGDOの試打を並べると、違いが見えてくる。

モーダスの振り心地と弾道を見る入口
モデル振り心地・設計の違い球筋で確かめたいこと
TOUR 105石井の試打では、軽くても張りを感じ、速いテンポで振っていける感触。力を入れたときも、軽く振ったときも高さを揃えられるか。
TOUR 110公式は先端〜中間を硬めにし、重心を先端寄りにした設計と説明。軽量化してもヘッドの重さを感じられるか。高低の打ち分けを試す。
TOUR 115石井の試打では、しなりと戻りの速さに偏りが少ない感触。普段の高さとスピンを保って、距離のばらつきを減らせるか。
TOUR 120中間部を低めの剛性にした設計。石井もゆっくり動く感触を報告。力まずに高さを出せるか。戻りを待ちすぎて左右に外れないか。
SYSTEM3 TOUR 125石井の試打では、自分の振り方に反応する動き。重量級の選択肢。重さを残し、低い球や距離を抑えた球を打てるか。
TOUR 130中間部は硬く、先端部は低めの剛性。120とは異なる設計。硬く感じても打ち出しが上がるか。狙った高さを出せるか。

表の右列はGOLF DNAが提案する試打の見どころ。110の動きを、石井の試打結果として混ぜてはいない。130も「いちばん数字が大きいから、いちばん低い球」という選び方ではなく、中間の張りと先端の動きが自分の振り方に合うかを見るモデルだ。

120の大きなしなりが苦手なら、まず115を比べてみる。もっと軽い重量帯を探すなら105や110、重さを残して自分で球を打ち分けたいなら125へ。この順番は硬さの順位ではなく、感触を探すための分け方だ。

DGの感触を残したいなら、モーダス以外にも選択肢がある

今のDGで低い球を打てていて、気になるのが重さだけなら、まずDG120を比べる意味がある。トゥルーテンパーの製品紹介でも、標準DGの感触を残して軽量化したモデルという位置づけだ。モーダス120と同じ「120」でも、同じしなり方を狙った製品ではない。

Dynamic Gold HTの製品写真
Dynamic Gold HT。HTはラベルの熱転写を指し、メーカーは従来DGと同性能としている。写真:GDOのトゥルーテンパー特設。
DGで、重さと球の上がり方を分けて考える
モデルメーカー側の位置づけ試す理由
標準DG/DG HT重量級、低弾道を狙う定番。HTは高弾道という意味ではない。今の重さと、低く打てる感触を基準として残す。
DG120標準DGの感触を残した軽量モデル。重いDGが振り切りづらくなったが、球は抑えて打ちたい。
DG105元調子。特設では中弾道のモデルと説明。100g台で、手元のしなりを感じながら振れるかを試す。
DG MIDシリーズ標準DGより打ち出しとスピンを増やす狙いの別設計。DG系の感触を探しつつ、高さも欲しい。

DG105までまとめて「DGだから球が低い」とは言えない。MIDにも複数の重量があり、単に標準DGを柔らかくした名前ではない。重さを変えるのか、球の上がり方を変えるのかを分けておくと、モーダスとの比較もしやすくなる。

同じ120、同じSでも、重さは揃っていない

モーダス120のSは114g、DG120のS200は118g。さらにモーダス115のSは118.5gで、120のSより重い。「120から115へ替えるから軽くなる」と思って選ぶと、出発点がずれてしまう。

比較に使う代表仕様の公表重量
モーダス/Sフレックスモーダスの重量DG/S200・テーパーDGの重量
TOUR 105106.5gDG105103g
TOUR 110110g——
TOUR 115118.5g——
TOUR 120114gDG120118g
SYSTEM3 TOUR 125128.5g標準DG HT129g
TOUR 130124g——

同じ行は硬さや弾道が同じという意味ではない。ここではメーカーが公表する未カットの単体重量を並べた。組み上がったクラブの総重量や、振ったときの重さは、長さ・ヘッド・グリップ・バランスでも変わる。

DGから大きく軽量化したいなら105や110まで広げられる。一方、今の重さが好きなら、DGのS200とモーダス125のSを比べる理由がある。125が登場するのは、この重量帯を残したい場面だ。

重量のばらつきまで揃えたいなら、DGはEXも見たい

DGの重さや振り心地が好きで、セット内の重量の揃い方にもこだわりたい。それならEX TOUR ISSUEまで候補に入れたい。公式が説明する「ウエイトロック」は、基本重量との差を補う素材をシャフト内部に入れ、一本ごとの重量差を小さくする仕組みだ。

トゥルーテンパー担当者の2019年の説明では、従来のTOUR ISSUEは、重さの近いものをグループに分けてセットを揃えていた。EXは別のセットから一本を追加するときにも、基本重量を揃えられるようにした製品という。一本だけ試してから、ほかの番手へ広げたい人にも意味がある。

モーダスを作る日本シャフトも、製造段階で重量を揃えることに力を入れている。2025年の駒ヶ根工場の取材記事では、重量公差を±1gと説明。工場長も、組み立てる側が重量選別をしなくてよい品質を目指していると述べている。2023年の鹿又芳典の工場見学記事にも、±1gの水準で管理しているという記述がある。いずれも日本シャフトのPR取材で、モーダス全モデルに対する個別の保証値が示された仕様表とは分けて読んでおきたい。

EXを選ぶときは、標準DGと公表重量が同じではない点も見ておこう。今回確認した日本公式の未カット仕様では、標準DG HTのS200が129g、EXのS200が131g。X100も標準130gに対してEXは132gだ。重量のばらつきを抑えることと、軽くすることは違う。

この資料から言えるのは、DGには重量管理を重視したEXがあり、日本シャフトにも重量のばらつきを抑える製造方針がある、というところ。重量が揃っているから硬さや剛性分布まで同じ、球の曲がり幅まで小さくなる、とまでは言えない。しなり方が合うモデルを絞ったうえで、セットとしての重量の揃い方も確かめたい。

球筋の違いは「高い・低い」の先まで見る

DGで低く出る球を、もう少し楽に上げたい

山崎の比較では、モーダス120はDGより高さとスピンを得やすかった。DGでしっかり打った球しか上がらない人なら、120で普段の力でも高さが出るかが見どころになる。ただし、高さが出ても縦の距離が揃わなければ、アイアンとして使いやすくなったとは言い切れない。

軽くしたら、球も上がるのか

2016年の「みんなのゴルフダイジェスト」では、同じiBLADEの7番・ロフト34度で、DG S200とモーダス105 Sを打ち比べている。この試打では105のほうが振りやすく、打ち出しも高いという評価だった。低い球を押すDGに対して、105はより水平に振る感覚で打ちやすかったと報告している。

これは重さとシャフトの挙動を含めた結果で、「105という重量なら必ず球が高くなる」という話ではない。購入するヘッドで試すときも、軽くなって振りやすい感触と、実際に上がった高さの両方を見たい。

左のミスは、ブランド名で片づけない

「モーダスならつかまる」「DGなら左に行かない」という分け方では選べない。今回の資料にも、両シリーズの全モデルについて左の曲がり幅を比べた結果はない。つかまりが欲しいなら、狙いより左へ出た球と、右から戻ってきた球を分けて残す。同じ左の着弾でも、欲しかった球かどうかは違う。

比べる相手は、数字より「残したい感触」で選ぶ

DG S200の重さが好き → モーダス125 S

約129gの標準DGに対し、125 Sは128.5g。重量帯を大きく変えずに、しなりの感じ方を比べやすい組み合わせだ。120の大きなたわみを試す話とは分けて、しっかり振った球と、少し抑えた球の距離を見比べたい。

DGを少し軽くしたい → DG120とモーダス115・120

まずDG120で、慣れた感触を残せるか。その隣に、近い公表重量のモーダス115 Sを置く。もう少し軽く、中間のしなりも感じたいなら120 Sを加える。同じ「120同士」から始めるより、重さと動きのどちらを変えたいのか分かりやすい。

100g台で選びたい → DG105とモーダス105・110

DG105 S200は103g、モーダス105 Sは106.5g、110 Sは110g。それぞれを同じ硬さだと思わず、切り返しで重さが消えすぎないか、振り下ろしたときにヘッドがついてくるかを比べる。110は先端寄りの重量配分も含め、単体重量だけでは分からない振り感を確かめたい。

いずれも、GOLF DNAが試打候補を絞るために組んだ比較例。フレックスの換算表ではなく、この組み合わせで同じ球筋になるという意味でもない。

今の一本の不満から、次に打つモデルを決める

ショップで最初に伝えたいこと
今の不満・残したいこと試す候補変わってほしい一球
標準DGの重さだけがつらいDG120、モーダス115少し力を抜いても、普段のキャリーまで届くか。
DGだと低く、力まないと上がらないモーダス120、近い重量帯のDG MID高くなった球が、縦の距離も揃っているか。
120のしなり戻りを待つ感じが苦手モーダス115。重さが欲しければ125自分のテンポで振って、当たり遅れを感じないか。
100g台に軽くしたいが、軽すぎる感触は困るDG105、モーダス105・110切り返しでクラブを見失わず、打点を揃えられるか。
重量級を使い続けたい標準DG、モーダス125。130は別の動きとして試す強く打つ球と、距離を抑える球を両方打てるか。

この表は購入を決める表ではなく、試打する理由を絞るためのもの。たとえば「DGから120へ替えたい」だけでなく、「7番はいいが5番が低い」「フルショットは合うが、抑えると右へ抜ける」と伝えれば、確かめる球もはっきりする。

7番の一球で決めず、長い番手と抑えた球も打つ

試打では、まず今の一本を打ってから候補へ替え、最後にもう一度戻る。同じヘッドとロフト、近い長さ・グリップで比べられれば、ヘッドが違うから上がったのか、シャフトを替えて振りやすくなったのかを混同しにくい。

7番で候補が残ったら、可能なら5番か6番でも打つ。7番では気持ちよくても、長い番手になると高さが足りないことは、試打の場で確かめておきたい。短い番手では、フルショットだけでなく、少し距離を抑える球も打つ。

見るのは最長飛距離より、狙った距離を何度打てたか。切り返しを急いだ球、少し薄く当たった球も残し、左右と縦の外れ方を比べる。高さが欲しかったのにキャリーがばらついた、軽くしたかったのに当てにいく振り方になった、という変化なら、候補を見直せる。

最終的には「DGからモーダスへ替えた」より、「軽く振っても5番の高さが出る」「短い番手の抑えた球が打ちやすい」と言える一本を選びたい。ここまでの試し方はGOLF DNAの編集上の提案だ。

よくある疑問

モーダスはDGより柔らかい?

シリーズ全体では言えない。120のしなりを感じやすいという比較試打はあるが、105・115・125や、中間部の硬い130は別の設計。SとS200、XとX100も共通の硬さの単位ではない。

モーダス120とDG120は、重さが同じ?

今回確認した公表仕様では、モーダス120のSは114g、DG120のS200は118g。どちらも未カット単体の値で、同じ120という名前から重さや振り心地が同じとは考えない。

DGから替えるなら、モーダス125が定番?

標準DGの重さを残したい人には比較する理由がある。ただ、軽量化したいなら115・120、さらに軽くしたいなら105・110なども候補になる。125一つでモーダス全体を代表させることはできない。

モーダス120のSはDGのRと同じ硬さ?

試打者が柔らかく感じたという感想を、そのままフレックスの換算には使えない。モデルごとの剛性分布が違うため、いつものヘッドと長さで、しなりを感じる場所や戻るを比べたい。

DG HTは、球が高く上がるDG?

HTはHeat Transferの略で、ラベルの熱転写を指す。メーカーは従来DGと同性能としている。球を上げる狙いの別設計として見るのはMIDシリーズ。

ヘッドスピードだけでモーダスとDGを選べる?

速度だけでは、切り返しの強さや、長い番手で出せる高さ、抑えて打つときの距離まで分からない。今のクラブを基準に、普段の振り方と少し力を抜いた振り方を比べて選びたい。

モーダスはDGより製造公差が小さい?

重量については、日本シャフトの工場取材に±1gの水準で管理するという説明がある。一方、DGには重量差を小さくするEX TOUR ISSUEがある。両社の全モデルを同じ条件で測った比較ではないので、モーダスのほうが必ず高精度、硬さのばらつきまで小さい、とまでは断定しない。

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