女子プロ48人調査、4週間で81%がけがの訴え 大会では43%が心理支援スタッフを利用できず
GOLF DNA編集部🌐

3行まとめ
- レディス欧州ツアーの2024年アラムコ・チームシリーズで行われた調査では、成人選手106人のうち48人を分析。
- 直前4週間のけがの訴えは81.3%、病気の訴えは69.6%、心理面の不調訴えは79.1%だった。
- 最も多いけが部位は首で43.8%。
レディス欧州ツアーの1大会で行われた調査が、女子プロゴルファーの健康負担を具体的な数字で示した。2024年のアラムコ・チームシリーズで回答した48人のうち、81.3%が直前4週間に少なくとも1つのけがの訴えを報告した。心理面の不調について回答した43人では、79.1%に何らかの訴えがあった。
数字は大きいが、「女子プロの8割が病気」という意味ではない。調査は自己申告の症状や訴えを集めたもので、臨床診断の割合ではない。そこを分けて読む必要がある。
48人のうち39人がけがを訴えた
調査は2024年7月1〜5日に英国センチュリオン・クラブで行われたアラムコ・チームシリーズで実施された。成人の出場選手106人のうち48人が主要な質問に回答し、分析対象となった。回答率は45.3%だった。
直前4週間のけがの訴えは81.3%で、48人中39人。部位別では首・頸椎が43.8%で最も多く、腰39.6%、手首22.9%と続いた。
病気や体調不良について回答した46人では69.6%に訴えがあり、最も多かったのは疲労・エネルギー不足30.4%、頭痛・片頭痛28.3%だった。
心理面の不調は43人中34人
心理面について回答した43人では、79.1%に少なくとも1つの不調訴えがあった。最も多かったのは不安・緊張感で51.2%。気分の落ち込み37.2%、競技に対する不安30.2%が続いた。
心理面の不調の背景について回答した32人では、競技成績や失敗へのプレッシャーなど「競技パフォーマンス」を挙げた人が68.8%で最も多かった。
また、けがの訴えがある選手では心理面の不調訴えも多く、病気の訴えがある選手でも同様の関連が見られた。ただし、この研究は横断調査であり、「けがが心理面の不調を引き起こした」といった因果関係を証明したものではない。
大会では心理支援へのアクセスが落ちる
支援環境の差も大きい。日常の練習環境でメンタルコーチや心理職を利用できないと答えた割合は8.5%だったのに対し、大会時は43.2%だった。
さらに論文は、70.1%が過去または現在に心理療法的な支援を必要としたと報告している。自由記述でも、健康関連サービス改善の提案14件のうち9件が心理面の支援強化を求めていた。
調査が示しているのは、競技会場での支援が「スイングや体のケア」だけでは足りない可能性だ。けが、体調不良、心理面を切り離さずに扱う必要性が見えてくる。
この数字は女子プロ全体の診断率ではない
研究側も限界を明記している。回答率は45.3%で、回答した選手に偏りがある可能性がある。すべて自己申告で、症状の重さも病気・心理面については記録していない。また、大会に出られないほど体調が悪かった選手は調査対象になっていない可能性がある。
つまり、81.3%や79.1%を女子プロ全体へそのまま一般化するのは適切ではない。
それでも、トップレベルの女子プロを「競技に出ているから健康」と見るだけでは実態を捉えにくいことは分かる。プレー成績の裏側には、首や腰の不調、疲労、心理的な負担、そして大会時の支援アクセスという別の層がある。今回の研究は、その層を数字で見える形にした。
出典:International Journal of Golf Science
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