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ゴルフ場は「きれい=高品質」とは限らない R&A委託研究、10人の聞き取りで探る自然回帰

GOLF DNA編集部🌐

海辺のゴルフコースのイメージ
3行まとめ
  • R&Aが委託した研究は、文献調査とイングランド北西部のコース管理責任者(ヘッドグリーンキーパー)10人への聞き取りから、ゴルフ場の品質は見た目の美しさだけではなく、気候・土壌・予算・利用状況・客層に合わせて考える必要があると整理した。
  • 今後は、外観上の完璧さより自然で硬く速いプレー面を重視する方向を示している。
  • 研究では、同じ管理水準をすべてのゴルフ場へ当てはめる考え方を取っていない。

ゴルフ場の「品質」は、芝が一面きれいな緑で、バンカーまで完璧に整っているほど高い——そんな見方を見直す研究が出ている。

R&Aが委託し、国際ゴルフ科学誌(International Journal of Golf Science)に掲載された研究は、学術・業界文献の質的な統合に加え、イングランド北西部のゴルフ場で働くコース管理責任者(ヘッドグリーンキーパー)10人へ聞き取りを実施した。研究が整理したのは、コース品質を一つの物差しで決めるのではなく、気候、土壌、設計、予算、利用状況、そして誰を主な利用者とするかまで含めて考える必要があるという点だ。

品質は「見た目」だけで決まらない

研究では、同じ管理水準をすべてのゴルフ場へ当てはめる考え方を取っていない。高価格帯の施設と、気軽に利用できるコースでは、客層も予算も期待される体験も違う。さらに、気候や土壌、コース設計、利用頻度も管理条件を変える。

そのため、あるコースで理想的なグリーン状態が、別の地域や別の運営形態でも同じように最適とは限らない。研究は、コースの市場上の位置づけと対象客層を先に明確にし、それに合わせて管理水準やプレーしやすさを設計する考え方を示している。

向かう先は「完璧な緑」より、自然で硬く速いコース

研究が示す今後の方向は、外観上の完璧さから、より自然で、硬く、速く、変化のあるプレー面への移行だ。

聞き取りでは、干ばつ時にフェアウェイやセミラフが茶色くなることを許容し、見た目よりプレーしやすさを優先するという管理者の声が紹介されている。また別の事例では、殺菌剤の使用を月1回から年3回へ減らした例や、管理負担を下げるためバンカーを約20個減らす再整備計画も挙げられた。

ただし、これらは10施設すべてに共通した削減量ではない。研究中で示された個別事例であり、「年3回にすれば正解」「バンカーを20個減らせばよい」という意味ではない。

コース側だけでなく、ゴルファー側の期待値も変える

自然に近い管理へ移ると、プレーヤーから「手入れが悪くなった」と受け取られる可能性がある。研究では、コース側が変更理由や管理上の制約を説明し、利用者の期待値を調整することが重要だとしている。

ここで見え方が変わる。茶色いフェアウェイや長めのラフは、必ずしも管理不足とは限らない。水、薬剤、人手、維持費を抑えつつ、プレー性やコースらしさを優先した結果である場合もある。

日本のゴルフ場を見る物差しにもヒントがある

この研究の聞き取り対象はイングランド北西部で、日本のゴルフ場を直接調べた研究ではない。そのため、日本でも同じ管理方法が最適だとは言えない。

一方で、「見た目の緑の濃さ」だけでコース品質を判断すると、プレーしやすさ、地域の気候、維持に必要な水や薬剤、運営コスト、利用者層との相性を見落とす可能性がある。

これはGOLF DNAとしての解釈だが、ゴルフ場を評価する指標は「どれだけ完璧に見えるか」から、「その場所と利用者に対して、どれだけ合理的に良いプレー環境を作れているか」へ広げた方が実態に近い。今回の研究は、その考え方をコース管理と事業運営の両面から整理している。

出典:International Journal of Golf Science

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