ゼロス6・7・8の違いと選び方
振り心地・球筋と軽量NSとの比較
950GHが少し重くなった。でも、スチールの打ち心地は好きだ。ゼロス6・7・8を比べたくなるのは、そんな場面だろう。
三本とも先調子だが、軽くて大きくしなる一本を気持ちよく振れる人もいれば、少し重さがあるほうが当たりが揃う人もいる。実際、7と8を同じヘッドで打ち比べ、8のほうがヘッドスピードは落ちたのに、球の初速はほとんど変わらなかった試打がある。
見たいのは、一番軽いシャフトでどこまで飛ぶかだけではない。力まず下ろせるか、薄い当たりが減るか、狙った高さと距離を繰り返せるか。6・7・8の違いを、振った感触と実際の球から見ていこう。
国内公式仕様、試打者本人・使用者の記述、フィッターの説明を参照。GOLF DNAによる実打計測ではありません。三本を同条件で測った弾道順位は作っていません。
6は軽さ、7は大きなしなり。8は重さを残して比べる
ゼロスは、重いスチールの形をそのまま細くしただけのシャフトではない。日本シャフトは7について、750GHより手元と中間を大きくしならせた設計だと説明している。先調子と聞いて、先だけがピュッと動く姿を想像すると、少し違う。
| モデル | 振り心地で確かめること | 球で確かめること |
|---|---|---|
| 6 | 持ったときの軽さに加え、手元のしなりで間を取れるか | 軽く振っても当たりが薄くならず、キャリーが残るか |
| 7 | 750GHより手元・中間のしなりを使いたいか | 球を拾いやすくなるか。つかまりすぎないか |
| 8 | 7では軽すぎるとき、重さを残したほうが芯に当たるか | 高さを保って距離が揃うか。強く振ったときに左へ行かないか |
6と7は軽さの差を、7と8は軽快さと当てやすさの釣り合いを比べたい。これは試す順番の提案だ。6が最も高く、8が最も低いという弾道表ではない。
6は68.5g。7のR2とRは、重さがほとんど変わらない
| モデル | フレックス | 重量 | トルク/調子 |
|---|---|---|---|
| Zelos 6 | −(一種類) | 68.5g | 3.0°/先 |
| Zelos 7 | R2 | 73.5g | 2.9°/先 |
| Zelos 7 | R | 74.0g | 2.8°/先 |
| Zelos 7 | S | 77.5g | 2.6°/先 |
| Zelos 8 | R | 84.0g | 2.3°/先 |
| Zelos 8 | S | 87.5g | 2.2°/先 |
6と7Rは5.5g差、7Rと8Rは10g差。S同士でも7と8は10g違う。一方、7のR2とRは0.5gしか変わらない。軽さを求めてR2を選んでも、重量が大きく下がるわけではない。硬さを変えたいのか、重さを変えたいのかを分けておこう。
6にR・Sの選択はなく、公式表では「−」となっている。7のR2は受注生産。長さは三モデルとも38.5〜35.0インチの番手別仕様で、6の#3・#4はオプションだ。表の数字は完成クラブの重さではないので、今のアイアンとの差は組み上がった状態でも確認したい。
ゼロス6:軽くても、当たりが薄いとは限らない

750GHを使っていたGridge編集部のヒッティは、コースで6を打ち、手元のしなりと振りやすさを感じている。広告企画での本人試打だが、「軽いスチールなのに手元まで動く」という感触を知る一例になる。
中村修プロも三モデルを試し、初めて打った6の当たりの厚さと、タイミングの取りやすさを評価した。7番・ロフト30度で、球は極端な高弾道ではなく、そのロフトに応じた高さだったと記している。軽いから打ち負ける、柔らかいから吹き上がる、と決めつける必要はない。
試打では、軽くなったぶん速く振ろうとせず、まず普段のテンポで打ってみたい。下ろし始めに手元のしなりが分かるか。そのあと、当たり際だけ手で合わせなくても芯に当たるか。ここが合えば、軽さを使いながらスチールの打ち応えを残せる可能性がある。
ただし、この二つの試打は7・8との同条件の数値比較ではない。6が三本で一番飛ぶ、ミスが最も少ないとまでは言えない。
ゼロス7:先だけでなく、手元からしならせたい人へ

7の特徴は、70g台という軽さに加えて、手元と中間にも十分なしなりを持たせていること。750GHから替えるなら、単に持ち上げやすくなるかより、トップから下ろすときにシャフトがたわむ感触が増えるかを比べたい。強く引っ張らなくても間が取れるなら、その動きが役に立っている。
マイキャディの7S使用者「チョメチョメぽん」は、カーボンを思わせるしなりと、打ち出しから高さが出る感触を記録している。球筋はストレートからフックだったという。ヘッド名などは分からないため、7Sなら誰でも同じ球になるという話ではないが、上がりやすさだけでなく左への曲がりも見ておきたい例だ。
試すなら、いつもの振り方と、少し強めに振ったときの両方で見る。ゆっくりなら真っすぐなのに、飛ばそうとした途端に左へ出るなら、その振り方で距離を揃えられるかを確かめたい。Sにすれば解決、と決めず、8や別設計の軽量NSも横に置く。
ゼロス8:7より重くして、高さとタイミングが合うこともある

8はRで84g、Sで87.5g。7より重量は増すが、メーカーは大きなしなりと弾きを特徴に挙げている。80g台になったから、急に動きの少ないシャフトになるわけではない。
PING i210に8Rを入れた使用者「tosy」は、950GHのRより振りやすく、高さが出たと記している。7も試したが軽すぎてタイミングが合わず、8で欲しい高さが得られたという。叩きすぎるとドローが強く出た点も、選ぶときには見逃せない。
この人にとっては、軽い7にすればもっと高く楽に打てる、という順番ではなかった。本人には8のほうがタイミングを取りやすかった、ということだ。7を振ると急いで下ろしてしまう、ヘッドがどこにあるか分かりにくい。そう感じるなら、8で同じ球を打ってみる価値がある。
逆に、8では最後まで振り抜くのがつらいなら、芯に当たった一球だけで選びたくない。何球か続けたあとも同じフィニッシュを取れるか、短い番手の距離を力まず合わせられるかまで比べよう。
同じヘッドの7対8。速く振れたのは7、当たりが揃ったのは8
ExactGolfは、同じヘッド・同じ長さで、145m先を狙って7と8を比較している。この打者は7のほうが速く振れたが、8では薄い当たりが減り、初速の差は小さくなった。
| モデル | ヘッド速度/初速(mph) | 打ち出し角 | スピン | キャリー/標準偏差 |
|---|---|---|---|---|
| Zelos 7 | 79.7/103.9 | 17.0° | 5,831rpm | 133m/4.0m |
| Zelos 8 | 77.8/103.1 | 17.9° | 5,541rpm | 132m/2.1m |
平均キャリーは1m違い。一方、距離のばらつきの目安となる標準偏差は8のほうが小さい。8のほうが必ず安定するという証明ではないが、速く振れた一本と、狙った距離を揃えやすい一本が分かれた試打だ。
ただし、ヘッド名・番手・フレックス・球数は確定できない。打ち出しとスピンの差について、原記事は打点の影響と説明している。数値をそのまま全員の弾道差にはしない。
6が一番高く、8が一番低い、とは並べられない
日本シャフトの6の公式比較にも、6と7Rを7番・32度・37.25インチで比べたデータがある。打ち出し角は6が17.1度、7Rが17.2度で、ほぼ同じだった。メーカーの掲載例であり、打者や球数は明記されていないが、少なくとも「6は7より必ず高い」とは読めない。
7対8のExactGolfの例では、むしろ8の打ち出し角が少し高かった。使用者の記録でも、7Sで高さが出た人もいれば、8Rで欲しい高さが得られた人もいる。重量の数字をそのまま球の高さに置き換えると、この違いを見落とす。
自分の試打では、高さが足りない球と、薄く当たって低く出た球を分けたい。打点が揃っているのにキャリーが足りないのか。軽すぎてタイミングがずれ、下のほうに当たっているのか。後者なら、さらに軽くするより、少し重さを戻したほうが良くなる余地がある。
つかまりも同じだ。7から8へ重くすれば左が消えるとは限らない。高く上がった一球より、力んだときにどちらへ外れ、どこまで曲がったかを見ておきたい。
750GH・850GH・950GHからなら、しなる場所も比べたい
従来の750GHとゼロス7は、どちらも70g台でも同じ振り心地ではない。7は手元・中間をよりしならせる設計だ。軽さは今くらいでいいのに、シャフトが硬い棒のように感じる。そういう人は、重さを下げる前に、7でしなりを感じやすくなるかを試したい。750GH neoは別モデルなので、この750GHとの説明をそのまま当てはめない。
850GH、850GH neo、ゼロス8も、80g台というだけでは選べない。長谷部祐氏は、850GHのしなって弾く感触、850GH neoの比較的おとなしい動き、ゼロスのカーボンを思わせるしなり戻りを区別している。これは同氏の評価で、同条件の飛距離ランキングではない。
950GHから少し軽くしたいなら、まず8と850GH系を比べる。その重さでも負担が残るなら7へ、さらに軽さを求めるなら6へ、と試すと違いを追いやすい。逆に、今のクラブより大きくしなる感触が苦手なら、軽さだけでゼロスを選ばず、GH・neo系も残しておこう。
最後は7番だけでなく、短い番手の距離も合わせる
試打の最初は、今のクラブと候補を同じヘッド・同じ番手・同じ長さで比べたい。ヘッドやロフトまで変わると、球が高くなった理由や、当たりが厚くなった理由をシャフトだけに絞れなくなる。
| 困りごと | 最初の候補 | 残す一本の判断 |
|---|---|---|
| 950GHが重く、後半に振り切れない | 8と、今のクラブ | 続けて打っても振り切れ、短い番手の距離も合う |
| 750GHの重さはいいが、しなりを感じにくい | 7と750GH | 強く引っ張らずに間が取れ、打点が揃う |
| 7が軽すぎてタイミングが合わない | 7と8 | 速度だけでなく、薄い当たりと距離のばらつきが減る |
| 7でも重く、もっと軽く振りたい | 6と7 | 力まず振れて、当たりとキャリーを保てる |
| 高い球は出るが、強く振ると左へ曲がる | 現在の硬さと別の硬さ、別設計 | 無理にフェースを開かず、いつもの振り方で狙える |
7番で気持ちよく飛んだら、9番やPWでも距離を合わせてみる。長谷部氏も、軽量化すると短い番手で軽すぎて振りにくくなる可能性を挙げている。フルショットだけでなく、少し抑えた一球で振り幅と距離が合うかを見ておきたい。
なお、Zelos 7 HYBRIDはアイアン用7とは別仕様。UTのレビューをアイアンの6・7・8の比較に混ぜない。完成クラブごとの使用上の注意も確認したい。例えばオノフFF247の公式ページは、Zelos 7についてドライバーのヘッドスピード43m/s以上で使用を控えるよう案内している。この数字を全クラブ共通の適合表にせず、使うモデルのメーカー指定を優先する。
打ち比べたあと、もう一度いまのクラブへ戻ってみる。候補のほうが楽なのか、それとも新しいしなりに合わせて打ち方を変えていただけなのか。普段の振り方で、狙った高さと距離を繰り返せる一本を選びたい。
よくある疑問
ゼロス6・7・8で一番球が上がるのは?
一律には決められない。6と7Rの公式掲載例では打ち出し角はほぼ同じ。7と8の同一ヘッド試打でも、軽い7のほうが高いという結果ではなかった。自分の打点とキャリーを合わせて見たい。
ゼロス6はR? S?
国内公式ではフレックス欄が「−」の一種類。7や8のR・Sと同じ硬さに換算せず、実際のしなりとタイミングで比べたい。
ゼロス7のR2にすると、Rよりかなり軽い?
公表重量はR2が73.5g、Rが74.0gで、差は0.5g。大きく軽くする選択ではない。R2は受注生産。
ゼロス8は7より硬くて、球が低い?
8はR・Sとも7の同フレックスより10g重い。ただし、重量だけでは硬さの等価関係や弾道順位は決まらない。8でタイミングが合い、欲しい高さが出た使用例もある。
950GHからなら、どれを先に試す?
少し軽くするなら8と850GH系から比べると、変化を追いやすい。それでも負担が残るときに7・6へ広げる、という試し方を提案したい。950GHと950GH neoも区別しておこう。
ゼロスならスライスが直る?
直る保証はない。しなりのタイミングが合うかを確かめ、左右への出球と曲がりを記録したい。使用例にはつかまりが強くなった人もいるので、左へのミスも確認する。
ヘッドスピードだけで6・7・8を選べる?
数字だけの振り分けはしない。特に完成クラブのメーカーが使用上の注意を示している場合は、それを先に確認する。その範囲で、テンポ・打点・距離の揃いやすさを比べたい。
ゼロス7 HYBRIDも同じ重さ?
別仕様。国内公式のアイアン用7Rはカット前74.0g、HYBRIDの7Rは81.5gで、長さや先端径も異なる。UTでの感想をそのままアイアンへ当てはめない。