ゴルフ百科事典

民間のゴルフ場に散歩道などを開放すると、どんな利点と管理上の問題がある?

地域開放・歩行者動線

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

利点は、広い緑地を地域の散歩・眺望・自然体験にも使え、非ゴルファーとの接点や地域との関係を作れることです。一方で、打球事故、プレー区域との交差、管理車両との接触、芝の、ごみ・犬の管理などが増えるため、通路・時間帯・横断場所・ルールを分けて運用する必要があります。

詳しい解説

ゴルフ場は広い緑地を持っていますが、通常はプレーする人を中心に動線が設計されています。その一部を散歩道や地域の通路として開放すると、ゴルフをしない人にも緑地を楽しむ機会が生まれ、地域との距離を縮めることができます。

一般利用を入れる場合は、打球区域と歩行者の指定ルート、必要な横断部や管理車両の流れを合わせて考えます。図は離した配置の一例で、実在コースの平面図や必要な離隔距離、安全の保証ではありません。破線は説明上の区分で、防球壁や自由な立ち入りを許す境界ではありません。

USGAは、ゴルフ場が都市の緑地として冷却、生物の生息地、雨水管理などの機能を持つことを紹介し、特に都市部では非ゴルファーのレクリエーション利用を増やすことが、地域との関係づくりや生活の質向上につながる可能性を挙げています。実例としてChambers Bayでは、ゴルフコースと公共のトレイルが同じ敷地内に共存し、ゴルフをしない人も景観や屋外空間を利用しています。

ただし、開放には管理上の課題があります。最大の違いは、利用者がゴルフの打球や作業車両の動きを必ずしも理解していないことです。USGAの大会運営でも、観客がフェアウェイを横切る場所を指定するなど、プレー区域と歩行者の交差を管理しています。日常の散歩道でも、ティーショットやセカンドショットの着弾域を避け、やむを得ない横断部は位置を限定する方が安全です。

管理作業との干渉もあります。Chambers Bayの管理責任者は、トレイル利用者が多い日は作業車両が通りにくく、利用者へ注意しながら運転したり、時間帯によって通行を避けたりすると説明しています。歩行者がコース内へ外れると芝の摩耗が起こる場所もあります。

さらに、犬、ごみ、立入禁止区域、早朝・夜間、散水や薬剤散布、大会開催時の扱いなど、ゴルファーだけを想定した運用ではなかった項目を決める必要があります。英国のSt Andrews Old Courseでは日曜日にコースを公共利用へ開放する伝統がありますが、グリーンへの立入りを控えるよう看板を設けるなど、利用区域を分けています。

実務では、①プレーの着弾域から離れた固定ルートにする、②フェアウェイ横断は必要最小限にする、③開放時間と作業時間をずらす、④グリーンやティーなど立入禁止区域を明示する、⑤犬・ごみ・自転車などのルールを決める、⑥大会・散布・工事時に一時閉鎖できるようにする、といった設計が必要です。

なお、民間施設を一般開放した場合の法的責任や保険、通行権の扱いは国・地域・契約で異なります。公共利用を増やす価値はありますが、「自由に入れるようにする」だけではなく、ゴルフと地域利用を安全に分離する運用までセットで考える必要があります。