ゴルフ百科事典

3Dプリントなら、ゴルファーごとに内部構造や重量配分を変えたヘッドを作れる?

3Dプリント・クラブ製造

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まず答え

技術的には可能です。3Dプリントは金型を作り直さず複雑な内部格子や少量の個別設計を作りやすいため、ゴルファーごとに内部構造や重量配分を変える設計と相性があります。ただし、市販クラブで1人ずつ内部構造まで個別設計するサービスが一般化しているわけではありません。

詳しい解説

3Dプリントの強みは、同じ外形でも内部構造を比較的自由に変えやすいことです。従来の鋳造や鍛造では、形を大きく変えると金型や工程の変更が必要になりますが、積層造形ではデジタル設計データを変えて製造できます。

NISTは、3Dプリントを含む積層造形について、金型コストを避けやすく、少量生産やカスタム製品の経済性を改善できると説明しています。また、従来法では作りにくい格子構造などの複雑な形状を作れることも利点として挙げています。

ゴルフクラブでも、この設計自由度はすでに使われています。COBRAの3DP Tourアイアンは、3Dプリントでしか作りにくい内部格子を使い、ヘッド重量の一部を別の場所へ再配分しています。つまり、内部格子の密度や形状、空洞の作り方などを設計データ側で変えれば、重心位置や慣性モーメントを狙って調整する余地があります。

トポロジー最適化では設計空間に目的、荷重や固定条件、材料量などの制約を与え、材料をどこへ置くかを数値計算で探します。図は考える順序の概念で、実製品の計算結果や必ず得られる軽量化率を示しません。製造できる形への調整や試験が必要で、全ての購入者へ一品設計を提供するという意味でもありません。

このため、将来的には計測した傾向や必要な重心特性に合わせ、ゴルファーごとに内部構造や重量配分を変えたヘッドを作ることは技術的に可能です。

ただし、「作れる」と「現在の市販サービスとして普通に提供されている」は別です。COBRAの現行3Dプリントアイアンも内部格子はモデルとして設計されたもので、購入者ごとに格子構造そのものを一品設計しているわけではありません。個別最適化には設計検証、強度、製造ばらつき、用具規則への適合確認、コストなども必要です。現時点では、3Dプリントは個別設計を可能にする製造手段ですが、ゴルファーごとの完全な内部構造カスタムはまだ一般的な市販フィッティングとは分けて考えるのが適切です。