ゴルフ百科事典

ゴルフ漫画やアニメの「必殺ショット」は、実際の弾道として可能かどうかどう見分ける?

ゴルフ文化・弾道物理

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まず答え

打出し速度・方向・スピンと、飛行中の重力・空気抵抗・揚力・風に分けて考えます。曲がることや下降中に速度が増すこと自体は非現実とは限りません。初期条件と働く力から説明できる動きかを見ます。数値が示されない描写では、正確な可否までは決められません。

詳しい解説

漫画やアニメのショットを現実に可能か見るときは、見た目の派手さではなく、ボールが飛び出した瞬間の条件と、その後に働く力へ分解します。

USGAのResearch and Test Centerでは、ゴルフボールの打出し速度、方向、スピンを計測し、Indoor Test Rangeで飛行中の空力特性を測っています。ボールの飛距離や曲がりは、こうした初期条件と、重力・空気抵抗・スピンに伴う揚力などから考えます。風によって空気に対する球の速度も変わります。USGA/R&Aのボール試験でも、クラブヘッド速度、打出し角、などの条件を定めて飛行性能を評価しています。

空気力は対気速度、空気密度、基準面積と係数の組合せで変わります。Cd・Clは力そのものではなく無次元の係数で、流れや回転の条件により変わります。揚力が上向く二次元の一例を示し、重力など他の力は省略しています。

そのため、作品内の「必殺ショット」も、①どれだけ速く出たか、②上下・左右の打出し方向、③回転軸と回転量、④重力、風や空気の影響、⑤着地後の地面との相互作用に分けると検討しやすくなります。

たとえば強いカーブや高低差の大きい弾道はスピンや打出し条件で現実にも起こります。また、下降中には重力によって速度が増す場合があるため、『途中でした』というだけでは不可能とは言えません。問題は、描写された打出し条件と重力・空気力・風などで、その曲がり方や速度変化を説明できるかです。それらでは説明できない急な方向転換などは、創作上の表現として分けて考えます。正確な可否には速度・回転・風などの数値が必要です。