ゴルフで いう 「ダウンスイング中の 加速」って 何?
キネマティクス・加速度
まず答え
ダウンスイング中の加速は、クラブヘッドや身体部位の速度が時間とともに変わることです。単に「速く振る」こととは別で、どの部位が、いつ、どの方向へ速度を増減させたかを見ます。
詳しい解説
ダウンスイング中の加速は、クラブヘッドや身体各部の速度が時間の中でどれだけ変化したかを表します。速度そのものではなく、その変化率です。直線運動なら加速度、回転運動なら角加速度として扱います。
そのため「ダウンスイングではずっと加速し続ける」と考えるのは単純化しすぎです。ある部位は途中で速度が最大になった後に減速し、別の部位やクラブはその後も速度を高めることがあります。加速と減速が時間的に組み合わさって、インパクト時のクラブヘッド速度が作られます。
Izumotoらは男子大学ゴルファー17人のドライバーショットを3次元計測し、身体とクラブの角運動量を解析しました。身体―クラブ系とクラブの角運動量はトップからインパクトへ向けて増加しましたが、腕の角運動量はダウンスイング中盤より前に最大となり、体幹は中盤より後に最大となりました。ここで測ったのは角運動量です。角運動量は回転速度だけでなく質量分布にも左右されるため、そのピーク時刻を速度や加速度のピーク時刻と同一視することはできません。
この研究では体幹の最大角運動量がクラブヘッド速度と関連しましたが、観察研究なので「体幹をできるだけ強く加速すれば速くなる」という処方を証明したものではありません。加速度は方向を持つ量で、計測軸、クラブ、局面、平滑化や微分方法でも値が変わります。
実用上は、①クラブヘッドの直線加速度なのか、②骨盤・胸郭などの角加速度なのか、③どの局面の値か、④速度・角速度のピークとどう対応するかを区別します。加速の大きさ単独では良否を決めず、クラブ速度、打点、フェース向き、打球結果と合わせて見ます。