塩類が たまった グリーンは、 普段より 少し 多めに 散水すれば 洗い 流せる?
根域・塩類管理
まず答え
少し多めにするだけでは不十分なことがあります。塩類を根域より下へ動かす「リーチング」には、根域を通り抜けるだけの十分な水量と、実際に水が下へ抜ける浸透・排水性能が必要です。USGAは、真のリーチングには一般的な深い散水を超える大量の水が必要と説明しています。
詳しい解説
根域に塩類が蓄積した場合、水を足せば自動的に塩が消えるわけではありません。目的は塩を薄めるだけではなく、水と一緒に根が使う深さより下へ押し出すことです。この処理をリーチングと呼びます。
USGA Green Sectionは、真のリーチングには通常の『深めの散水』よりはるかに多い水が必要で、一般的な目安として3〜5インチ(約76〜127mm)の水を根域へ通す必要があると説明しています。2017年のUSGA資料でも、12インチ厚のUSGA仕様根域を十分にフラッシュするには大きな水量が必要で、表面を濡らす程度の追加散水では足りないことが示されています。
ただし、水量だけを増やしても、水が根域を通過しなければ塩は十分に移動しません。表面の有機物、藻のクラスト、締固め、浸透不良、排水不良などがあると、水が表面にたまったり横へ流れたりして、塩が残ることがあります。USGAは、塩類問題は散水水の塩分だけでなく、表面・内部排水の悪さと組み合わさって起こることが多いとしています。
実際の管理では、まずEC(電気伝導度)で根域のどの深さに塩類が多いか確認し、必要な時だけリーチングします。浸透が悪い場合は、ソリッドタインなどで水の通り道を改善してから行う方が効率が上がる場合があります。また、短時間に大量の水を入れて表面流亡を起こすより、根域へ浸透できる速度で長時間かけて与える方法が使われます。
リーチング後は、ECが実際に下がったかを再測定します。下がらない場合は、単に水量が足りないのではなく、表面排水や根域の物理性に問題がある可能性があります。つまり『普段より少し多めに散水する』ことと『塩類を根域外へ洗い流す』ことは別の管理です。