砂主体の グリーンは、 石膏を 入れれば 塩類対策と 排水改善に なる?
根域・排水・塩類
まず答え
一般には、石膏を入れるだけでは解決しません。石膏のカルシウムが土壌構造改善に役立つのは、ナトリウムで分散しやすい粘土を多く含む土壌が中心です。典型的な砂主体のグリーンは粘土が少ないため、塩類対策の基本は石膏より、塩類濃度の測定、十分な浸透・排水の確保、必要なリーチングです。
詳しい解説
石膏(硫酸カルシウム)はカルシウムを供給する資材で、ナトリウムの影響で粘土粒子が分散し、水が通りにくくなった土壌では、条件によって構造改善に使われます。そのため『塩分やナトリウムが高いなら石膏を入れれば水はけが良くなる』と考えられることがあります。
しかし、砂主体のパッティンググリーンでは事情が違います。USGA Green Sectionは、石膏などのカルシウム資材が塩類低減やリーチング改善に役立つ可能性があるのは、膨潤性の粘土をおおむね6〜8%以上含み、ナトリウムによる土壌分散が問題になる場合だと説明しています。多くの砂主体グリーンは粘土含有量がそれより低く、ナトリウムによる土壌構造崩壊が起こりにくいため、石膏を加えても塩類そのものを根域外へ出す効果は期待しにくいとしています。
塩類を減らすには、水と一緒に塩を根域より下へ移動させる必要があります。つまり重要なのは、根域へ十分な水が浸透し、下へ排出されることです。表層有機物、締固め、藻の膜、地形的な低部などで水が抜けにくい場合は、石膏を足すより、まず浸透・表面排水・内部排水の問題を直す方が優先されます。
また、石膏はカルシウムを含むため、土壌分析でカルシウム不足を補う目的とは別に考える必要があります。『カルシウムを補うこと』と『塩類を洗い流すこと』は同じ管理ではありません。USGAは、一般的な砂主体グリーンの塩類管理では、ECを測って蓄積を確認し、必要に応じて十分な水量でリーチングすることを基本としています。
例外は、粘土分が多い土壌や、ナトリウムによる分散が実際に分析で確認される場合です。その場合は石膏が有効なことがあります。したがって、石膏は『砂質グリーンの塩類対策の万能薬』ではなく、土壌組成と水質を確認して使う資材です。