飛距離が 伸びたのに 左右ブレが 増えたら、 その 調整は 「良化」と 判定していい?
検証・効果判定
まず答え
自動的には良化と判定しません。飛距離の増加と左右ブレの増加が同時に起きた「混合反応」です。最終的には、平均距離だけでなく散らばり、OB・ペナルティ側の大きなミス、実際の残り距離やスコア価値まで合わせて判断します。
詳しい解説
飛距離が伸びても左右ブレが増えたなら、結果は一方向の改善ではなく「良い変化と悪い変化が同時に出た状態」です。飛距離だけを見て良化と決めるのも、左右ブレだけを見て悪化と決めるのも早すぎます。
ゴルフでは、1球の価値は単純な飛距離だけでは決まりません。Broadieのストロークス・ゲインド研究は、ショット後のボール位置とライから、その1打が期待スコアをどれだけ改善したかを評価します。つまり遠くへ進んでも、深いラフ、木の裏、バンカー、ペナルティ区域などへ入る確率が大きく増えれば、距離の利得がそのままスコア価値になるとは限りません。
一方で、左右ブレは少数球では安定して測りにくい指標です。中〜高ハンデのゴルファーを対象にした弾道計測研究では、一般的なクラブ・ボール指標は7〜10球程度で再現性を得やすかった一方、左右方向に関する一部指標は15球でも十分な再現性が得られませんでした。数球の左右ブレ増加だけで悪化と断定するのも危険です。
実用上は、調整前後を同じ条件で複数球比べ、①平均キャリーまたは総距離、②左右の散らばり幅、③大きなミスの回数、④打点や初速など今回の目的指標を別々に記録します。距離が伸び、散らばりも許容範囲なら良化候補です。距離は伸びても大きなミスが明確に増えるなら、混合反応として保留または条件付き採用にします。
最も確実なのは、最終結果をスコア価値へ近づけて評価することです。コース上の着弾位置まで取れるなら、単純な「平均飛距離」と「平均左右ブレ」を一つの数値へ無理にまとめるより、各ショットの残り距離とライ、ペナルティの有無を含めて比較します。練習場だけなら、距離と散らばりを別指標のまま残し、どちらか一方が悪化した変更を自動的に「良化」にしない方が安全です。