シャフト・向き/組立
シャフトのスパイン調整やFLO・PUREingは、本当に効果がある?
シャフトの周方向のばらつきを測って向きをそろえる考え方には物理的な根拠がありますが、飛距離や散らばりが必ず改善するとは言えません。現行のR&A・USGA規則も小さなスパインを製造上のばらつきとして認め、均一性のための中立的な向き合わせを許容しています。必須の性能向上策というより、組み立ての一貫性を整える追加工程として考えるのが安全です。
カーボンシャフトは完全に均一な円筒ではなく、製造方法によって周方向にわずかな剛性差が残ることがあります。「スパイン」はその偏りを指し、FLOは振動させて安定した振動面を探す方法、PUREingは専用測定で組み立て方向を決める商用工程です。
物理的なばらつき自体は確認されています。2006年の査読研究では、複数のシート積層カーボンシャフトで向きによる静的な曲げ剛性差が見つかりました。ただし同じ研究では、動的な剛性に向きによる差は確認されませんでした。静止状態でスパインを検出できることと、ショット性能が大きく改善することは別の話です。
SST PUREは、向き合わせによって距離・正確性・ボール初速などが改善したとするロボット試験を公開しています。一方で、これはサービス提供側が紹介する試験で、現代のあらゆるシャフトやゴルファーに同じ効果が出るという強い合意はありません。現時点の研究結果は一致しておらず、性能向上を保証する処置とは言えません。
R&A・USGAの用具規則は、通常の製造で生じる小さなスパインを許容し、セット内の均一性を高めるため中立的な向きへそろえることも認めています。一方、フックやスライスを意図的に補正する目的でシャフトの向きを利用することは規則の意図に反します。
スパイン調整やFLO・PUREingは、組み立てのばらつきを一つ減らす追加工程としては考えられますが、「やれば必ず飛ぶ・曲がらなくなる」ものではありません。価値を判断するなら、同じヘッド・長さ・重量条件で打点、初速、打ち出し、散らばりを比較する必要があります。
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