ゴルフ百科事典

ツアー同士が戦略提携しても、会員規則や懲戒手続きまで共通になる?

プロツアー・ガバナンス

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まず答え

いいえ。戦略提携で共通になるのは、提携契約で定めた大会、出場経路、商業・運営面などに限られ、各ツアーの会員規則や懲戒制度が自動的に一本化されるわけではありません。実際、PGA TOURとDP World Tourは提携下で相互の出場機会を設ける一方、それぞれの規則・懲戒制度も運用しています。

詳しい解説

戦略提携は、二つのツアーが一つの組織になることとは別です。提携契約で決めた範囲は共同化できますが、会員制度や懲戒手続きまで自動的に同じになるわけではありません。

PGA TOURとDP World Tourは2022年に戦略提携を拡大し、2035年までの運営面の共同事業、共同開催大会、選手の出場機会、DP World Tour上位選手がPGA TOURカードを得る経路などを設けました。ここでは具体的に「何を一緒にするか」が定められています。

一方、2023年にPGA TOUR選手へDP World Tourの会員資格を広げた際、PGA TOURの公式発表は、出場やランキングの扱いが「DP World Tourの現行Member Regulationsに従う」と説明し、その制度自体もDP World TourのTournament Committeeで承認されたとしています。つまり、提携による相互アクセスが増えても、会員資格の運用主体まで消えるわけではありません。

懲戒でも同様です。DP World Tourは2024年、同ツアーのIntegrity Programme違反について独立懲戒パネルが処分を決めた事例を公表しています。PGA TOURも別にIntegrity Program Manualを持ち、PGA TOURが所有・運営するツアーの対象者、調査、処分、不服申立てを定めています。

ただし、制度が完全に独立していて互いに無関係という意味でもありません。PGA TOURのIntegrity Program Manualには、他のゴルフ統括団体が出したインテグリティ関連の処分を、独自の手続きを最初からやり直さず承認・反映できる規定があります。共同開催大会では、エントリー条件や適用規則を双方で調整することもあります。

したがって、戦略提携を見たときは「提携した=規則が全部共通」と考えず、共同化された項目と、それぞれのツアーに残る会員・懲戒規則を分けて確認するのが正確です。