年齢に よって、 ゴルフの 新しい 動きの 学び方は 変わる?
運動学習・加齢
まず答え
変わることはありますが、「年齢が高いと学べない」という意味ではありません。ゴルフパッティング研究では、注意や言葉で考える負担が大きい学習条件では高齢者に不利が出た一方、失敗を抑えて自動的な学習を促す条件では若年者との差が小さくなりました。
詳しい解説
年齢は、新しい動きを学べるかどうかを決める境界ではありません。ただし、同じ練習でも、どの情報処理に頼るかによって年齢差が出ることがあります。
Chauvelらは、平均23.5歳の若年者48人と平均65.0歳の高齢者48人にゴルフパッティングを学習させました。失敗が多く、言葉で考える処理に頼りやすい条件では高齢者の成績が若年者より低くなりましたが、失敗を抑え、自動的な処理に頼りやすい条件では年齢差が小さくなりました。さらに、学習後に別の注意課題を同時に行わせたときも、失敗を抑えた条件の成績は影響を受けにくい結果でした。
これは「高齢者は必ずエラーレス学習を使うべき」という意味ではありません。研究は単純化したパッティング課題で、参加者の年齢や経験も限られています。ただ、年齢差が学習能力そのものではなく、学習中に必要となる注意・記憶・言語化の負担によって大きくも小さくもなり得ることを示しています。
Nunesらは平均68歳の高齢者40人にゴルフパッティングを学習させ、動作フィードバックを自分で求める群と、同じタイミングで与えられる群を比較しました。保持・転移テストで両群の精度や一貫性に明確な差はなく、「自分でフィードバックを選べば高齢者ほど有利」という単純な結果にはなりませんでした。
別の高齢者パッティング研究では、60〜80歳の参加者で、修正方法を言葉で示すフィードバックを含む条件が、自分の映像を見るだけの条件より誤差が小さくなりました。高齢者だから映像中心、言葉中心と固定するのではなく、本人が情報を使えているかを見る必要があります。
実用上は、年齢そのものより、①一度に考える修正点が多すぎないか、②失敗が続くほど課題が難しくないか、③フィードバックを受けた後に本人が次の1球で使えるか、④時間を空けても再現できるか、で練習方法を調整します。
年齢別の学習特性とは「何歳ならこの練習法」と決めることではなく、加齢で変わり得る注意・記憶・身体条件を踏まえながら、学習条件への反応を本人ごとに確かめる考え方です。