ゴルフ百科事典

ゴルフシューズの靴底に芝や泥が詰まると、滑りやすくなる?

ゴルフシューズ・足元装備

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まず答え

はい。自然芝を使った機械試験では、クリート部がコース上の異物で詰まるとトラクション(靴底が地面をつかむ力)が有意に低下しました。濡れた芝でも低下しました。ただし実際のゴルファーが何回滑るかを測った研究ではないため、滑りの程度は靴底・芝・水分などで変わります。

詳しい解説

靴底の芝や泥は、見た目の汚れだけではなく、地面をつかむ性能を落とすことがあります。

靴底の突起やその間に芝・泥などが詰まると、接地条件が変わります。Wannopらの試験では目詰まりによるトラクション低下が報告されています。図は目詰まりした部分を下から見る独自の模式例で、研究で使用した靴底の形状、試験値、全製品での低下量や転倒率を再現しません。突起の摩耗や地面の水分なども別に確認します。

Wannopらの2013年研究では、2種類のクリート構成を持つゴルフシューズを、乾いた天然芝と濡れた天然芝で比較しました。さらにクリート部がきれいな状態と、コース上の異物で詰まった状態を作り、6自由度の機械試験装置でトラクションを測定しました。靴には500Nの鉛直荷重をかけ、芝面を75mm/sで動かしながら水平力などを計測しています。

結果は、クリート部の詰まりによってトラクションが有意に低下しました(F=63.823、p<0.001)。芝を濡らした条件でもトラクションは有意に低下しました(F=9.964、p=0.002)。また前足部は後足部より高いトラクションを示しました。一方、この実験で比較した2種類のクリート構成そのものには有意差がありませんでした。

つまり、スパイクが付いていても、その周囲が芝・泥などで埋まれば、地面へ食い込んだり引っ掛かったりする働きが弱まり、滑りに対する余裕が減る可能性があります。特に濡れた芝では、表面条件そのものでもトラクションが低下するため、汚れと水分が重なる状況は注意が必要です。

ただし、この研究は機械装置で靴と天然芝の界面を試験したもので、実際のラウンドで転倒回数やショットの散らばりを測ったものではありません。また現代の全スパイク・スパイクレス製品を比較した研究でもありません。そのため「泥が付いたら必ず滑る」「どの靴でも同じ割合で性能が落ちる」とまでは言えません。

実用上は、雨天、、ぬかるみ、長いラフを歩いた後などに、靴底の突起や溝が芝・泥で埋まっていないかを確認します。滑りやすい傾斜やフルスイングの前に大きな詰まりを落としておくことは、靴本来のトラクションを保つうえで合理的です。