ラフで ボールが 深く 沈むほど、 ボール初速と キャリーは 落ちやすい?
ラフ・ボールライ
まず答え
少なくとも7番アイアンを使った小規模な実地研究では、その傾向が確認されています。芝の中に深く沈んでボールの露出が少ないライほど、ボール初速とキャリーが低下しました。ただし2人のゴルファーによる試験なので、固定の飛距離補正としては使えません。
詳しい解説
ラフでは「芝が何センチあるか」だけでなく、ボールが芝の中へどれだけ沈んでいるかがショット結果に関わります。
Strunkらの2015年の研究では、ハンデの異なる2人のゴルファーが7番アイアンを使い、クリーピングベントグラス、ケンタッキーブルーグラス、トールフェスクの異なるライからショットしました。刈高は0.5〜4.0インチまで変え、ボールが芝冠からどの程度露出しているかを画像解析で数値化し、弾道計測器でショット結果を測定しました。
その結果、刈高とボールライには強い関係があり、ボールライはボール初速とキャリーに有意に関係しました。論文では、ボールライとボール初速の関係はr²=0.517、キャリーとの関係はr²=0.357と報告されています。つまり、ボールが芝の上に多く露出しているライと、深く沈んでいるライでは、同じ7番アイアンでも結果が変わり得ます。
ただし、この研究から「半分沈んだら必ず○ヤード落ちる」といった固定値は作れません。対象が2人と少なく、草種、芝の高さ、芝の強さ、水分、クラブ、入射条件でも結果は変わるからです。また、研究はボールライと結果の関係を測ったもので、芝がクラブへ与える抵抗の全てを直接分解したわけではありません。
実戦では、ラフの高さだけを見るより、ボールの上半分が見えているか、芝の中へ深く沈んでいるか、フェースとボールの間にどれだけ芝が入るかを先に確認する方が合理的です。深いライでは普段のキャリーをそのまま期待せず、脱出を優先する判断材料にします。