スプリンクラーを 同じ 時間動かせば、 グリーン全体へ 同じ 量の 水が 入る?
灌水・散水均一性
まず答え
入りません。同じ運転時間でも、ヘッドの配置・散水角度・ノズル・圧力・風などで降水量は場所ごとに変わります。さらに同じ水量が落ちても、傾斜や土壌、日照、締固めで土中水分はそろいません。散水均一性と実際の土壌水分の両方を確認します。
詳しい解説
スプリンクラーは設定した時間だけ動かせば、どこへも同じ量の水が入るわけではありません。散水設備には「分布均一性」という考え方があり、同じ区域の中でも実際に落ちる水量には差が出ます。
USGAは、ヘッド間隔、ノズル、流量、圧力、散水角度、ヘッドの高さ・傾きなどが分布均一性を左右すると説明しています。ノズルの摩耗や詰まり、芝や土でヘッドが埋もれることでも散水パターンは崩れます。風が強い日は水滴が流されるため、設備が正常でも均一性は下がります。
グリーン同士でも同じ運転時間が同じ散水量になるとは限りません。USGAの事例では、グリーンは面積、形状、スプリンクラー数、各ヘッドの散水角度が異なるため、全グリーンを同じ時間だけ動かすと、面積当たりの水量に差が生じやすいとしています。必要に応じて各グリーンの面積や実際の降水量に合わせて運転時間を補正します。
さらに重要なのは、散水が均一でも土壌水分まで均一になるとは限らないことです。USGAは、傾斜、土壌の違い、日照と日陰、締固め、排水性などによって、同じ水量を受けても乾き方が変わると説明しています。散水の分布均一性が高くても、低い場所だけ湿る、日当たりの強い場所だけ早く乾く、といったことは起こります。
設備の確認には、複数の容器で実際の散水量を測る散水監査が使われます。これに加えて土壌水分計で根域の水分分布を測ると、「水が均一に出ていない」のか「出ているが土壌側で差が生じている」のかを分けやすくなります。
したがって管理では、同じ運転時間を基準にするのではなく、①設備が水をどれだけ均一に配っているか、②その水が根域でどう残っているか、の二段階で確認します。必要な場所だけ運転時間やノズル、ヘッド位置を調整する方が、水を使いすぎず均一なプレー条件を作りやすくなります。