ゴルフ百科事典

フェースのたわみは、芯を外したときも同じように働く?

フェースたわみ・オフセンター衝突

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まず答え

同じとは限りません。フェースのたわみ方や反発は位置とフェースの厚さ・支持構造で変わり、芯を外すとヘッド自体の回転も加わります。現代のクラブは周辺打点でも反発を保つよう設計できますが、中心打点とまったく同じ挙動になるわけではありません。

詳しい解説

ドライバーなどの薄いフェースは、インパクト時にわずかに変形して戻る「ばね」のような働きをします。ただし、フェース全体がどこでも同じ量・同じ形でたわむわけではありません。

薄い金属フェースとボールは衝突中にどちらも変形します。図は局所的な断面の説明で、変形を大きく誇張し、実際のヘッド形状や変形量、接触時間は再現しません。右の破線は変形前のフェース基準です。厚さ分布、打点、球の材料や衝突条件でも応答は変わり、周辺打点の結果にはヘッド全体の回転等も関わります。CTは実打で何mm変形するかの値ではありません。

フェースは中央と周辺で、厚さや背面の形、クラウン・ソールとのつながり方が違います。そのため、ボールが当たる場所が変われば局所的な剛性や変形の仕方も変わります。実際、ゴルフクラブのフェース設計では、周辺部の反発を高めて高反発領域を広げるために、厚さを場所ごとに変える設計が研究されています。

Hayaseらの研究では、クラブフェース周辺部の反発を高める目的で可変厚フェースを扱い、実験と有限要素解析でインパクト時のフェースひずみを比較しています。これは、反発特性がフェース上の場所によって同じではなく、厚さ分布によって調整できることを示す材料です。

さらに、芯を外した当たりではフェースの局所的なたわみだけでなく、衝突力がヘッド重心からずれることでヘッド全体が回転します。Iwatsuboらは、打点位置を変えた数値解析で、ボールの飛び出し速度やスピンが打点、ヘッドの慣性モーメント、重心位置によって変わることを示しています。つまり、周辺打点の結果は「フェースがどれだけ戻るか」だけでは決まりません。

現代のクラブで可変厚フェースや複雑な支持構造を使うのは、中心以外の打点でもをできるだけ残すためです。ただし、周辺部の反発を中心に近づけても、打点が重心から外れればヘッド回転やなど別の現象は残ります。

実用上は、フェースのたわみを『芯なら働く、芯を外したら働かない』という二択で考えません。打点ごとにボール初速、打ち出し、スピン、ヘッドのねじれがどう変わるかを合わせて見ます。また、この説明は主に薄い金属フェースを持つウッド系ヘッドの研究に基づくため、肉厚なアイアンやパターへをそのまま当てはめない方が安全です。