ドライバーの フェースたわみは、 何で 変わる?
インパクト接触・フェースたわみ
まず答え
主にフェースの厚さ・形状・支持構造、打点、衝突条件、ボール側の変形特性で変わります。たわみが大きいほど必ず飛ぶわけではなく、復元のしかたとヘッド・ボール全体の衝突結果で判断します。
詳しい解説
ドライバーのフェースたわみは、フェース単体の固定値ではありません。インパクトではフェースとボールの両方が短時間に変形するため、フェース形状だけでなく、どこに当たり、どんな条件で衝突したかまで含めて結果が変わります。
まず大きいのがフェースの厚さと形状です。PetersenとMcPheeは、ゴルフボールとクラブヘッドの有限要素モデルを組み合わせ、中央打点でボールの打ち出し速度を最大化するようフェース形状を変える解析を行いました。フェース形状を変えると衝突中の力学的な応答と打ち出し速度が変わるため、同じ素材でも厚さ分布や形状が違えば、たわみ方と反発の結果は同じではありません。
打点も重要です。可変厚フェースを対象にしたHayaseらの実験・有限要素解析では、周辺部の反発を高める設計を扱い、衝突中のフェースひずみを実測と解析で比較しています。つまり、フェースの中央と周辺では局所的な剛性や変形の仕方が同じとは限りません。芯を外すと、局所的なたわみに加えてヘッド全体の回転も起こるため、ボール初速やスピンの変化を「フェースたわみだけ」で説明しない方が安全です。
さらにボール側も弾性・粘弾性的に変形します。Tanakaらはゴルフボールの材料特性や、ボールとクラブの衝突条件を変えた有限要素解析と衝突実験を行い、ボールの速度・打ち出し角・スピンが条件によって変わることを示しています。したがって、同じヘッドでもボールや衝突条件が変われば、クラブとボール全体としての応答は変わります。
なお、用具規則で使うCT(特性時間)は、振り子をクラブフェースへ当てて接触時間からスプリング効果を評価する標準試験です。実際のゴルフボールとの衝突時にフェースが何ミリたわんだかを直接示す値ではありません。実用上は『よくたわむ=高性能』と一つの数値で決めず、打点ごとのボール初速、打ち出し、スピン、ヘッドのねじれまで合わせて見ます。