練習の 課題難易度は、 難しい ほど 上達しやすい?
練習設計・課題難易度
あとで読む保存した記事へ →
まず答え
難しいほど上達しやすいとは限りません。ゴルフのパッティング研究では、成功率を変えて難易度を調整しても、24時間後の学習量に明確な差が出なかった例があります。一方、学習者自身が難易度を段階的に選べる練習で保持・転移が良かった研究もあり、固定の「最適成功率」を置くより、技能と学習目的に合わせて調整するのが適切です。
詳しい解説
練習の難易度は、距離、目標の大きさ、傾斜、使うクラブ、情報量などを変えると上げ下げできます。重要なのは「難しい課題ほど学習刺激が大きい」と単純に決めないことです。
Yamadaらの2026年の無作為化試験では、150人をパッティングの成功率が高い条件、中程度の条件、低い条件へ分け、50回練習した後に24時間後の保持を調べました。成功率はおおよそ60〜70%、20〜30%、10%未満に設定されましたが、改善のパターンや学習量に群間差は確認されませんでした。この設計では「この成功率が最適」という一点は見つかりませんでした。
一方、Jalalvandらの2019年の研究では、60人がパット距離などの課題難易度とフィードバックを自分で段階的に選べる条件を含む4群で練習しました。難易度とフィードバックの両方を段階的に自己調整した群は、保持・転移テストでより良い結果を示しました。
つまり、課題難易度は「簡単すぎない・難しすぎない」という一般論だけで固定せず、実際の成功率、ミスの種類、学習者が情報を処理できているか、別条件へ移した時に再現できるかで調整します。研究結果も一方向ではないため、特定の成功率や距離を全員共通の最適値にはできません。