芝や 樹木に 固定された 炭素は、 枯れたり 伐採されたら 計算上も 減る?
環境・炭素管理
まず答え
減ることがあります。ただし、枯れたり伐採された瞬間に固定炭素がすべて大気へ戻るわけではありません。生きた植物の炭素は、枯死後に枯死木・土壌など別の炭素貯留へ移り、分解や燃焼で徐々に放出されます。伐採材も木製品として残れば一定期間は炭素を保持します。
詳しい解説
ゴルフ場の芝や樹木が取り込んだ炭素を考えるときは、「固定した量」だけでなく、その炭素がその後どこへ移るかまで追う必要があります。
生きた樹木は、光合成で大気中の二酸化炭素を取り込み、幹・枝・根などへ炭素を蓄えます。しかし木が枯れると、その炭素が一瞬ですべて消えるわけではありません。米国森林局は、枯死木や倒木も炭素を保持する貯留庫であり、分解によってゆっくり大気へ戻る一方、燃焼すればより速く放出されると説明しています。
伐採した場合も同じです。伐採材が廃棄・燃焼されれば炭素は比較的早く大気へ戻りますが、建材や木製品として使われれば、その製品の中に何年、場合によっては何十年も炭素が残ることがあります。そのため温室効果ガスの計算では、「伐採=即時に全炭素ゼロ」と単純化できない場合があります。
芝はさらに注意が必要です。芝地では植物体だけでなく、根や有機物を通じて土壌にも炭素が蓄積します。USGAが紹介するゴルフ場フェアウェイの研究でも、土壌有機炭素の増加が確認されています。地上の芝が枯れたり刈られたりしても、すでに土壌へ移った炭素が同時に全部失われるわけではありません。一方で、土壌の攪乱、分解の促進、管理方法の変更などで土壌炭素が減る可能性はあります。
したがって炭素収支では、「植物が吸収した累積量」を固定資産のように永久保存された値として扱わず、生体、枯死物、土壌、木製品などの貯留量と、その間の移動・放出を時間軸で見る必要があります。
結論として、枯死や伐採は炭素貯留量を変える重要なイベントですが、実際にどれだけ減るかは、その炭素が分解、燃焼、土壌移行、木製品利用のどこへ進むかで変わります。