ゴルフ百科事典

野生動物の移動回廊は、コース内だけでつながっていれば十分?

生物多様性・生息地連結

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まず答え

十分とは限りません。移動回廊は、動物が必要とする生息地どうしを実際につなげて初めて機能します。コース内の緑地が連続していても、敷地外で道路や市街地に分断されていれば、広域の移動経路としての効果は小さくなります。

詳しい解説

野生動物の移動回廊は、単に細長い緑地があることを意味しません。米国魚類野生生物局は、回廊を「二つの生息地をつなぎ、野生動物が安全に移動できる未開発地」と説明しています。つまり、回廊の価値は、その先に実際の生息地がつながっているかで決まります。

回廊は線状の植生だけでなく、対象種が利用できる生息地へつながることが重要です。主要なプレー線や着地点への影響を抑える位置で連続性を保ち、敷地外の道路・柵や接続先も確認します。必要な幅や植生は対象種と敷地条件で変わります。

ゴルフ場の中で林帯、水辺、ラフなどが連続していても、敷地境界の先で幹線道路、市街地、フェンスなどに行き止まれば、コース内だけの移動には使えても、個体群どうしをつなぐ広域回廊としては不十分な場合があります。

USGSも、生息地の分断では、残った生息地の面積だけでなく、離れた生息地間を生物がどれだけ移動できるかという「機能的なつながり」が重要だとしています。必要な距離や通路幅は、対象種の行動範囲や移動能力で異なります。

そのためゴルフ場で回廊を計画するときは、コース内の緑地だけで完結させず、周辺の河川、森林、公園、農地、保全区域などとどこで接続できるかを地図上で確認します。道路や水路、フェンスなどの障害も合わせて見ます。

一方、敷地外まで完全につなげられない場合でも、コース内の連続した生息地には局所的な価値があります。重要なのは「コース内で線がつながっているから十分」と判断せず、対象種が必要とする生息地のネットワーク全体の中で役割を評価することです。