ゴルフ百科事典

ゴルフスイングの「変動性」に最適な範囲はある?

協調・変動性

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まず答え

全員に共通する最適なばらつき量は確認されていません。結果を乱す変動は小さい方が望ましい一方、身体の関節運動には結果を保つための変動もあります。何の変数が、どの結果に対して、どれだけ変わったかで評価します。

詳しい解説

ゴルフスイングでは、毎回まったく同じ身体動作を再現することはできません。そこで重要になるのが、ばらつきを単に大きい・小さいで評価せず、その変動がショット結果を乱しているのか、結果を保つために使われているのかを分けることです。

Morrisonらの2016年研究では、高技能者と中技能者のスイングを非制御多様体という方法で解析しました。高技能者では、関節自由度のばらつきのうち、クラブヘッドの位置や向きなど課題に重要な結果を変えにくい方向の変動割合が高い傾向がありました。つまり、身体側の変動をすべて減らすことが熟練の特徴ではありませんでした。

一方、結果に近い変数では小さなばらつきが技能と関連する場合があります。Betzlerらの285人のドライバー研究では、低ハンデ群ほどクラブヘッド速度、打撃効率、、入射角、、などのショット間ばらつきが小さくなりました。身体の自由度には許容される変動があっても、インパクトや打球へ近い変数は安定している方が有利な場合があることを示します。

Tuckerらの熟練者16人の研究でも、身体マーカー軌跡の変動とボール速度の変動には有意な相関がありませんでした。身体の動きが少し違うことと、結果が不安定になることは同じではありません。

そのため『身体角度の標準偏差は何度以下が最適』『ばらつきは○%が理想』という全員共通の範囲は置けません。実用上は、同じ条件で複数球を測り、①身体動作、②クラブ挙動、③打点、④球速・方向・キャリーのばらつきを分けます。結果を乱す変動は修正候補にし、結果を保ちながら生じる身体側の小さな変化まで機械的に消さないことが重要です。