ゴルフ百科事典

『多感覚統合』は、視覚と身体の感覚をいつも半分ずつ使うこと?

神経科学と運動学習

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まず答え

いつも半分ずつではありません。複数の感覚を組み合わせて身体や目標の位置を見積もる過程で、どの情報を重く使うかは、行う計算や状況で変わります。映像か体感のどちらかが常に正しい、という意味でもありません。

詳しい解説

多感覚統合は、視覚、などの情報を組み合わせて、身体の位置や動き、周囲の状態を把握する過程です。感覚を単純に足したり、必ず等しい割合で平均したりするという意味ではありません。

SoberとSabesの2003年の研究では、7人が仮想環境で腕を目標へ動かす課題を行い、見える手の位置と身体から感じる位置をずらしました。計算モデルを使って分析すると、目標への移動方向を計画する段階では視覚の寄与が大きく、関節の運動指令へ変換する段階では固有感覚の寄与が大きい結果でした。

同じ腕の位置を扱っていても、何のために推定するかで感覚の組み合わせが違うということです。ただし、これは腕を伸ばす実験であり、ゴルフスイング中の視覚と体感の割合を決めた研究ではありません。

ゴルフで動画の見え方と本人の感覚が違っても、『映像だけで全て判断できる』『感覚だけを信じればいい』と一律に決めません。撮影方向や時点と、本人が何を感じたかをそろえて比べ、実際のや球筋とも照合します。

感覚が食い違うこと自体を、一つの関節の異常や固定的な学習タイプの証拠にはしません。多感覚統合は、複数情報を状況に応じて利用する仕組みを理解するための概念です。