ゴルフ百科事典

目で見た動きと体の感覚が食い違うとき、どちらを信じればいい?

視覚フィードバック・固有感覚

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

どちらか一方を絶対視しない方が適切です。映像や計測は外から見た動きを確かめる材料、体の感覚はその動きを再現するための手掛かりです。両者がずれること自体は珍しくないため、客観的な結果で動きを確認しながら、その動きに対応する感覚を学び直します。

詳しい解説

人は自分の動きを、目から入る情報だけでも、体の位置感覚だけでも判断していません。視覚となど複数の情報を組み合わせて、手足や体がどこにあるかを推定しています。

原因を理解した後も、実際の動きと結果を繰り返して確認します。図は実践時の確認の流れで、明示的戦略と暗黙的適応の神経機構や研究の実測結果を再現していません。

実験では、見えている手の位置と実際に感じる手の位置を意図的にずらすと、運動そのものだけでなく「手がここにある」という感覚まで変化することが確認されています。視覚と固有感覚が食い違った状態を繰り返すと、両者の対応関係が再調整されるためです。つまり、自分の「感じ」は固定された絶対的な基準ではありません。

一方で、映像も万能ではありません。映像は外から観察できる動きを確認するのに役立ち、ゴルフスイングを対象にした研究でも、動画を使った指導は遅れて現れる学習効果が報告されています。ただし、映像で見えた形だけをそのまま再現しようとしても、自分の中でどの感覚を使えばその動きになるかは別に学ぶ必要があります。

実践では、まず動画や計測値、、球筋などで「実際に何が起きたか」を確認します。そのうえで、その結果が出たときに自分がどう感じたかを対応させます。例えば映像上は十分に浅くなっているのに本人は「かなり縦に振った感じ」がするなら、その感覚を誤りとして捨てるのではなく、「今の自分では、その感覚でこの動きになる」と校正します。

したがって、見た動きと体感が違うときの目的は、どちらかを勝者にすることではなく、客観的に確認した動きと再現可能な感覚を結び付けることです。なお、視覚と固有感覚の研究の多くは腕の到達運動であり、フルスイングへの適用には限界があります。