衝突前後相対速度とは?
衝突・反発
まず答え
クラブとボールの衝突前後相対速度は、2つが近づく速さと、衝突後に離れていく速さを相手側から見た速度差です。反発係数は、この分離側の相対速度を接近側の相対速度で比べる考え方です。
詳しい解説
クラブとボールの衝突を考えるときは、クラブ速度やボール速度を単独で見るだけでなく、両者の速度差である相対速度を使います。
衝突前の相対速度は、クラブフェースとボールが互いにどれくらいの速さで近づいているかを表します。静止したボールを打つ場合、単純な正面衝突ならクラブ側の速度に近い値になりますが、実際のゴルフはロフトの付いた斜め衝突なので、フェースに垂直な方向と接線方向を分けて扱うことがあります。
衝突後の相対速度は、フェースを離れたボールとクラブヘッドがどれくらいの速さで離れていくかという速度差です。ボール初速そのものではありません。インパクト後もクラブヘッドは前へ動いているため、ボール速度からクラブ側の速度を差し引いた相対的な分離速度として考えます。
反発係数(COR)は、理想化した衝突では『衝突後の分離相対速度÷衝突前の接近相対速度』として定義されます。したがって、同じボール初速でも、衝突前後のクラブ速度が違えば同じ反発係数とは限りません。また斜め衝突では、フェースに垂直な方向の反発と、摩擦やスピンに関係する接線方向の挙動を分ける必要があります。
CrossとDewhurstはゴルフボールとクラブフェースの斜め衝突を実験・モデル化し、法線方向だけでなく接線方向の反発特性が打ち出し角やスピンに関係することを示しました。別のゴルフボール衝突実験でも、衝突前後の速度と角度を高速撮影し、入射速度に応じて反発係数が変化することが報告されています。
実用上は、相対速度を『ボール初速÷ヘッドスピード』と同じ指標にしません。スマッシュファクターはボール初速とクラブ速度の比で、反発係数は衝突する2物体の接近・分離の相対速度を使う別の物理量です。