ゴルフ百科事典

ゴルフスイングの「分離速度」って何?

キネマティクス・分離

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

は、骨盤と胸郭など2つの部位の角度差が、時間あたりどれだけ増減しているかを表す量です。分離角そのものではなく、その変化の速さなので、同じ最大分離角でも作り方のは異なります。

詳しい解説

ゴルフでいう分離速度は、骨盤と胸郭など2つの身体セグメントの角度差が時間とともにどれだけ速く変化しているかを表します。代表例は胸郭―骨盤の分離速度で、角と角の差である分離角を時間で微分した量です。

同じ軸と符号定義で、分離角を胸郭角から骨盤角を引いた値とすれば、その時間変化率が分離速度です。角度差が大きくても一定なら分離速度はゼロになります。図は一軸の説明例で、人体の実測値、理想角度、三次元の普遍的な定義ではありません。

分離角が大きいことと、分離速度が大きいことは同じではありません。ある選手はゆっくり分離角を増やして大きな差を作り、別の選手は短時間で分離を増やすことがあります。最大分離角だけでは、切り返しからダウンスイングで両者がどう動いたかまでは分かりません。

Myersらは100人のレクリエーションゴルファーをドライバーで測定し、胸郭・骨盤の回旋と速度、胸郭―骨盤分離角と分離速度を解析しました。が高い群では、最大分離速度やダウンスイング中の特定時点の分離速度が高い傾向がありました。ただし観察研究なので、分離速度を意図的に上げればボール初速が必ず上がると証明したものではありません。

また、Horanらは低ハンデの男女38人を3D計測し、胸郭と骨盤の角度・角速度・分離角を連続的に解析しました。熟練者でも性別や運動面によって動き方は異なり、分離を一つの固定値や順序だけで評価できないことが分かります。

実用上は、①どの2部位の分離か、②どの回転軸か、③分離角の符号定義、④ピーク値か特定時点の値か、⑤同じ計測法かを確認します。分離速度は連動の変化を記述する指標であり、数値を大きくすること自体を目標にはしません。